こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
働かなくても、生きていけるようになりたい
こう考える人達にとって「生活費の25年分の資産を用意する」というのが、経済的自立への1つの答えになっています。
25年分というのは、世界のFIRE業界では有名な数字です。
Financial Independence, Retire Early の頭文字4文字をとったもの。
経済的自立、早期リタイアの略。
25年分の生活費というと
- 生活費240万円(月20万円)→6,000万円
- 生活費360万円(月30万円)→9,000万円
- 生活費480万円(月40万円)→1億2,000万円
となります。
要するに、ムリムリムリ無理かたつむりということです。
ここで出てくるのが、サイドFIREという考え方です。
目次
サイドFIREの魅力
サイドFIREというのは、生活費の半分ぐらいは働いて稼げば良いじゃんという考え方です。
- そもそも働きたくないからFIREを目指しているのに
- 生活費の半分を働いて稼ぐなんて、意味ないじゃん!
こう考える人もいると思います。
しかし、冷静に考えるとメリットも多いのです。具体的には、以下の通り。
- 用意しなければいけない金融資産の金額が激減
- 緊急時に金融資産を使わないという選択肢が持てる
- ほどよい労働は、健康にも良い
順番に見ていきましょう。
メリット①:用意しなければいけない金融資産の金額が激減
金融資産からの収益だけで生きていこうとすると、運用利回り5%(税引き後4%)の場合は、総額でこれだけの資産を用意する必要があります。
- 生活費240万円(月20万円)→6,000万円
- 生活費360万円(月30万円)→9,000万円
- 生活費480万円(月40万円)→1億2,000万円
ところが、これらのうち「半分」を労働で稼げるということになると、当然用意すべき資金も半分で済みます。
- 生活費240万円(月20万円)の半分→3,000万円
- 生活費360万円(月30万円)の半分→4,500万円
- 生活費480万円(月40万円)の半分→6,000万円
①の場合は月10万円、②の場合は月15万円、③の場合は月20万円稼げればOKです。
※月20万円というと、20~30代のフルタイム労働者の給料ぐらいですから、片手間で稼ぐというには少し大きな数字かもしれません。
用意するお金が半分で良いということは、FIREまでの到達時間もざっくり半分になるということです。
20年は頑張れないという人も、10年ぐらいなら頑張れるかもしれません。
メリット②:緊急時に金融資産を使わないという選択肢が持てる
FIREが成功するかどうかは、FIRE直後の株式市場の動向に、大きく影響されることが分かっています。
FIRE直後(FIREしてから数年以内)に暴落相場があると、
- 自分の寿命
- 資産の寿命
を比較した時に、自分の方が長生きしてしまうリスクが圧倒的に高まるのです。
これを回避する方法は、ただ1つ。「暴落相場で資産を売らずに生活せよ」ということになります。
資産を売らずに生活するには働いて稼ぐしかありません。
- 完全にFIREしている→人的資本がゼロ(稼ぐ力がゼロ。再就職が厳しい)
- サイドFIREしている→人的資本がゼロじゃない(その気になればフル労働に戻れる)
こういう面があるので、サイドFIREにも一定のメリットがあるということです。
暴落相場の時期さえやりすごすだけで、資産寿命は劇的に伸びることが、研究(数字)で明らかになっています。
メリット③:ほどよい労働は、健康にも良い
最後は、労働そのもののメリットですね。
- やりがい・充実感
- 人・社会との繋がり
- 金銭報酬
- 身体・脳を動かすことによる健康への好影響
大抵の場合、問題なのは労働そのものじゃなくて、過度な労働です。
- 過度なプレッシャー
- 過度なストレス
- 過度な労働時間
- 過度な肉体疲労
FIREの成功確率を上げるという意味でも、人生にほどよいスパイスをもたらすという意味でも、サイドFIREにはやはり一定のメリットがありそうですね。
サイドFIREに向けたスタートの切り方
「サイドFIREしたい!」と思ったとき、やることは、ざっくり3つかなと。
- 資産を貯める
- サイドFIRE後の稼ぎ方を考える
- 資産運用をスタートする
サイドFIREの準備①資産を貯める
FIREに比べて少なめで良いとはいえ、サイドFIREにも金融資産は必須です。
- 転職による収入アップ
- 副業による収入アップ(②と関連)
- 資産運用による収入アップ(③と関連)
- 家計管理
- 固定費削減
- 様々な倹約
あらゆる手を使って、資産を貯めること。
サイドFIREの準備②サイドFIRE後の稼ぎ方を考える
サイドFIRE前から副業としてスタートすれば、
- サイドFIRE後の生活を具体的にイメージすることもできる
- 資産構築がはかどる
といったメリットもあります。
ギグエコノミーという言葉をご存知でしょうか?
「ギグ・エコノミー」とは、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う働き方のこと。
「ギグ(gig)」は英語のスラングで、ライブハウスでの短いセッションや、クラブでの一度限りの演奏のことを言います。
(出典:Weblio辞書)
たとえば、
- クラウドソーシングで、ライティングやサイト制作などを請け負ったり
- ウーバ―イーツで、商品の配達を請け負ったり
そういうやつですね。
ギグ・エコノミーは、「新時代の自由な働き方!」としてもてはやされる一方で、貧困の温床になっているという話もあります。
不自由な自営業者たち、なんて揶揄されたりすることもあります。
- 自営業者
- フリーター
- 派遣・契約
- フリーランス
- ギグ・ワーカー
「自由な働き方」というのは、時代によって色々な呼ばれ方をしますが、経済的に見れば立場の弱い「零細個人」に過ぎません。
今日を生きるお金に困る人に、仕事を断る自由はないのです。
一方で、ギグエコノミーの襲来は、サイドFIREを志向する人にとっては大きなメリットになります。
- 単発で仕事を受注できる環境が整えば整うほど
- ギグ・ワーカーの労働環境が整備されればされるほど(労災保険など)
サイドFIREの実行可能性・安定性が高まります。
例えば、毎月10万円の配当金が受け取れる人は、月5~10万円ウーバーをやれば気楽に生きていけます。
この自由な生活を、素晴らしいと思うか、ショボいと思うかは、価値観次第でしょう。
サイドFIREに至っている人というのは、ある程度の(見る人から見れば、とんでもない金額の)経済基盤があります。
そもそも、数年働かなくてもやっていけるぐらいの蓄えがあるのです。
資産ストックで見れば、上位10%に入るような「経済強者」だからこそ、一歩間違えると搾取されかねないギグ・エコノミーでも、主導権を失わずにやっていけるというわけですね。
サイドFIREの準備③資産運用をスタートする
FIRE・サイドFIREの資金が「25年分」で足りるのは、資産運用をするからです。
資産運用も、サイドFIRE後にいきなり始めるのではなく、早めにスタートしておくのがおすすめ。
- 資産額変動への耐性など、経験値が積める
- 資産運用益で資産構築がはかどる
といったメリットがあるからです。
まとめ:サイドFIREのメリットとギグ・エコノミーという追い風
と思う人は、サイドFIREでイケないかどうか、検討する余地はあると思います。
家族構成や生活費・価値観によりますが、3,000万円~5,000万円の資金(大金ですね(笑))でも、チャンスがあります。
- 用意しなければいけない金融資産の金額が激減
- 緊急時に金融資産を使わないという選択肢が持てる
- ほどよい労働は、健康にも良い
サイドFIREに向かってすべき準備は
- 資産を貯める
- サイドFIRE後の稼ぎ方を考える
- 資産運用をスタートする
といったところ。
②を考える上では、「ギグ・エコノミー」が追い風になるでしょう。
今は、本当に「稼ぐ機会」がそこら中に転がっています。これから、ますますそういう機会は増えていくでしょう。
企業としても、正社員を雇うより単発の労働者を抱えた方がビジネスがしやすいからです。
- ギグ・エコノミーに乗じて、大金を稼ぐのは難しいですが(時に搾取され、貧困に落ちうる)
- まとまった資産がある人がギグ・エコノミーに乗っかって自由に生きる
というのは、可能性の1つとしてはアリだと思います。
むしろ、経済的基盤の強い人が乗っかるべきトレンドのように思いますね。
というわけで、サイドFIREのメリットとスタートに向けた準備についてでした。
FIREに関する本も、ギグエコノミーに関する本も、色々と出版されるようになっているので、興味のある人はぜひ読んでみてください!
それではまたっ!
※関連記事です
Follow @kobito_kabu