こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
- 日商簿記1級
- 証券アナリスト
- TOEIC800点超
など、それなりの資格を取得している自称「勉強好き」のこびと株.comメンバーですが、

それは税理士試験です。
目次
【挫折まったなし】税理士試験がヤバい2つの理由

税理士試験は、会計科目2科目+税法科目3科目に合格すればクリアです。全部で5科目ですね。
さて、この税理士試験、一体どのあたりがヤバいのか見ていきたいと思います。
挫折要素①:全科目合格までに時間がかかりすぎてヤバい
5年で5科目合格できれば御の字です。
ちまたでは、5科目合格には平均8年程度かかるとも言われています。
弊社にも5科目合格の税理士が3名いますが、全員6~8年かかっています。
ふ~ん、8年かぁ…
アホか!

いやいや時間かかりすぎでしょ…
なぜこんなことになるのかというと、税理士試験では「科目合格制」が取られているからです。
各科目の合格は生涯有効なので、どんなに時間がかかっても5科目取れれば税理士になることができます。
そのため、働きながら毎年1科目ずつ合格を目指している受験生が多いのですね。
各科目の勉強時間は、スタディングでは次のように記載されています。
普通に足し合わせると5科目で軽く2,000時間を超えます。
すでにヤバイ雰囲気ですが、実際はこの勉強時間では足りないことは税理士試験の受験生の中では周知の事実です。
私もTACの消費税法講座とか通いましたけど、「300時間で合格とか無理に決まってるだろ!」って感じでした。
一度見たことは忘れないみたいな脳みその持ち主なら別ですけどね。
上記の勉強時間は、「予備校が受験生を呼び込もうとして少なめに出してる」というのが、もっぱらの噂です。
実態としては、1.5倍~2倍ほど見込んでおいた方が良いでしょう。つまり、3,000~5,000時間ほどですね。

とにかく、税理士試験は時間がかかりすぎるのです。
日常を税理士試験に捧げる覚悟が必要です。
挫折要素②:税法科目の受験生のレベルがヤバい
会計科目2科目はまだ良心的なんです。
ヤバいのは税法科目。
税法科目に受かりたければ、
- とんでもないボリュームの条文(予備校テキスト)をすべて丸暗記して
- 1分1秒を競う時間のなかで正確に答案用紙を作成し
- 約50%の配点を占める計算問題ではほとんどミスをしてはいけません
なんでこんなことになるのかというと、受験生のレベルが非常に高いからです。
もうね、アスリートの世界なんですよ、税理士試験って。
世界陸上の短距離走で、コンマ何秒のタイムを競っている感じです。
あまりに受験生のレベルが高く、接戦になっているので、基本的にミスが許されません(もちろん、科目によりますが)。
合格レベルにある受験生は、例外なく条文を丸暗記できているので、あとはスピードと正確性だけの勝負になります。
だから、30分で何文字書けるかを競いあってる受験生もいます。なんの試験だよ。
ちなみに、税理士試験は相対評価の試験です。税法科目では上位10%前後の受験生が合格します。
私たちは、予備校で消費税法の授業を受けていたときは、ついにたったの1回も上位20%に入ることが出来ませんでした。

受験生のレベルが高い理由は、受験ベテランが滞留しているからです。税理士の数が増えすぎると困るので、国が合格者数を絞ってるんですよね。
実は、税務署に23年以上勤めると税理士になれます。公務員の天下りみたいなもんですね。このルートで税理士になる人って結構多いんですよ。
あまり税理士(試験組)を増やしすぎると、この人達が困ってしまいます。だから、税理士試験の合格者は少なくしておこうってことになるわけです。
科目合格制を採用しているため、下手に2~3科目合格してしまうと退くに退けなくなる試験でもあります。
「最後の1科目を合格するのに5年かかった…!」ということもザラにある試験です。
とにかく、あらゆる理由から受験ベテランが生まれやすい環境になっています。
税理士試験は、さながら群雄割拠・戦国時代の様相です。
もはや「税理士としての資質を問う試験」からは程遠い試験になっているんじゃないですかね。
個人的には、受験生の実力を考えると、上位20%ぐらい受からせたって実務上は全く問題ないんじゃないかと思います。
まぁ、弁護士にしても会計士にしても、国家資格は政策ですからね。国がいい加減な舵取りをすると、割を食うのは受験者達です。

税理士試験に挫折した場合の対策

これはきっと、私たち以外にも税理士試験に挫折した人・挫折しかけている人は少なくないはず…。
というわけで、そんな人のための対策をご紹介しておきます。
こびと株.comメンバーは
- 実際に10年以上経理をやってきて
- 税理士試験にもトライして挫折して
- 税理士の知り合いが何人もいて
という状況ですので、かなり現実的な対策になっていると思います。
対策①「知識を証明する資格が欲しい」という人は
税理士試験を受けようと思った理由が「知識を証明する資格が欲しい」ということなら、もう少しリーズナブルな資格の取得をおすすめします。
具体的な候補は、日商簿記検定1級。
- 難易度が高めで、希少性がある
- 税理士試験で会計科目を学んでいれば、合格は近い
- 転職や昇進でも、評価されやすい
かなりコスパの良い資格です。

対策②「年収を上げたい」という人は
税理士試験を受け始めた理由は、年収を上げたいからだった…という人には、転職をおすすめします。
特に、税理士試験を受ける過程で
- 会計事務所・企業経理などで、就業経験が積めた
- 税理士試験のうち、いくつかの科目に合格した
- とりあえず、簿記1級はとってある
という人は、すぐに転職活動を開始すべき。
税理士試験に合格しなくても、あっさり年収アップを手に入れられる可能性があります。
優秀な転職エージェントの手を借りれば、年収アップの転職は比較的カンタンです。
具体的なオススメはJACリクルートメントです。ハイクラスの転職サポートで有名なエージェントですね。
- ハイクラス・ミドルクラス転職のオリコン顧客満足度調査第1位
- 専門職向けで、即戦力を求める求人案件が多い
- ②が特徴的なので、合う・合わないがハッキリしやすい
- 基本的には、評判はかなりイイ
- 実際に使ってみても、大満足の対応
専門職に強いエージェントの力を借りて、税理士試験対策で学んだことを活かせる仕事をサクッと見つけちゃいましょう。
対策③「今挫折しかけてるけど、やっぱり諦めきれない」という人は
「もう無理かな…って思い始めてるけど、やっぱり税理士資格が欲しい!」
という場合には、やはり転職をおすすめします。
挫折しかけている環境から離れて、改めてチャレンジした方が効率的だからです。
特に、
- 今の仕事が、忙しくて思うように勉強時間がとれない
- 今の仕事が、会計・税務と無関係
- 実は就業経験が無い
という人は、残業の無いホワイトな経理部や会計事務所など、勉強に集中しやすい職場への転職を検討してみてください。
優良な転職エージェントなら、今のあなたの状況に合った会社を紹介してくれるはず。
環境を変えて体勢を立て直してから、改めて税理士試験に取り組めば、きっと今より良い成果が得られるでしょう。
まとめ:時間がかかりすぎるうえに受験生のレベルが高いので挫折しました

結論。税理士試験、ホント無理。
社内の合格者達は口をそろえて言います。「人におすすめできる試験ではない」と。
税理士業界は斜陽産業ですし、もはや税理士資格は取っても食える資格ではないと言われています(取っただけでは食えないという意味で、実力=営業力のある人はもちろん別)。
生半可な覚悟で受けて良い試験ではありません。
ちなみに、税理士資格は「独立開業してナンボ」の資格です。
開業するつもりなんて毛頭なくて、事業会社に勤めたいとか年収を今より上げたいだけなら、税理士資格を取るのははっきり言ってコスパが悪いです。
上場企業には日商簿記1級+アルファで十分潜り込めると思いますので、目的に合わせて戦略を練りましょう。

それではまたっ!
※関連記事です
Follow @kobito_kabu