目次
TAKARA & COMPANYの配当金は期待できる?要点だけ知りたい!
こびと概要
項目名 | 内容 |
---|---|
本名 | 宝印刷 |
誕生月 | 1960年4月 |
仕事の内容 | ディスクロージャー支援(コンサルティング、ソフトウェア開発・販売、セミナー開催、書籍出版)、IR関連物の制作・印刷 |
配当献上月 | 1月(予定) 8月(予定) |
特徴 | ・ディスクロージャー関連書類の作成支援と印刷に専門特化した印刷会社 ・「単純な印刷会社」ではなく「情報を加工する会社」 ・金融商品取引法や会社法のエキスパートが多数在籍 ・ニッチマーケットの寡占企業 |
主なリスク | ・顧客の機密データの管理 ・関連法令の改正 ・株式市場の影響 |
重要項目No.1:投資効率
「投資額の何%の配当金を得られるか?」
「株価の下落リスクは低いか?」
以上2点を確認します。
配当利回り 3.48%
PBR 1.21倍
(※いずれも2023年7月14日の終値ベース)
重要項目No.2:配当姿勢
「オーナーに対する配当をどのように考えているか?」を確認します。
株主の皆様への長期的利益還元を重要な経営課題の一つと考え、安定配当を行うことを基本とし、企業体質の強化および今後の事業展開を勘案したうえで、業績に応じた配当を行うこととしております。また、剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としております。
剰余金の配当および自己株式の取得等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることができる旨、定款に定めております。(「2022年5月期 TAKARA & COMPANY有価証券報告書」の「配当政策」より一部修正・抜粋、太字は筆者)
2018年5月期まで、たからちゃんの有報には「年間配当50円」という、とてもわかりやすい配当方針が明示されていました。
しかし2020年5月期の配当予想を54円と増やすのにあわせて、2019年5月期以降、あいまいな表現に変わっています。(こびと株オーナーとしては、増配方向の変更ですから、ポジティブにとらえています。)
また、たからちゃんは、「安定配当金」の他に「業績連動配当金」や株主優待もオーナーのもとへ運んできてくれます。
「業績連動配当金」は、当期純利益が前期を上回った場合、増益要因等を勘案の上、余剰キャッシュフローの範囲で実施されるものです。
これを含めた直近の動向は以下の通りです。
(出典: 株式会社TAKARA & COMPANYホームページ 配当金・配当政策/株主優待)
株主優待制度は「選べるギフト」です。お菓子や日用品、寄付などから選ぶことができます。
重要項目No.3:配当継続力
「最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続できるか?」を確認します。
① 21.1年(調整後利益剰余金ベース)
② 10.9年(修正ネットキャッシュベース)
以上、こびと概要と3つの重要項目をチェックしてきました。
「このこびと株に興味を持った!」という方は、以下「もっと詳しく知りたい!」をご覧になって下さい。配当に関連する主要情報について、さらに詳細なデータを記載してあります。
TAKARA & COMPANYをもっと詳しく知りたい!
主要財務情報(直近10年)
(1)損益計算書・貸借対照表関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
【筆者3点コメント】
①高い財務安定性。(65~85%の高い自己資本比率と、150~370%の高い流動比率)。
②少ない有利子負債(2021年5月末時点で総資産の2.3%)と豊富なキャッシュ(過去11年間常に総資産の35%以上)。
③ニッチマーケットの寡占企業。たからちゃんは、ディスクロージャー関連書類の作成支援と印刷に専門特化しています。このマーケットはニッチマーケットで、㈱TAKARA&COMPANYとプロネクサス㈱の寡占市場です。
ディスクロージャーに関する情報提供やコンサルティングを行うためには、かなり専門的な知識が必要です。参入障壁が高く、寡占市場が維持しやすいわけです。
①も②も、このあたりの事情が主要因であると考えられます。ニッチマーケットそのものの今後に関する見解が、このこびと株の評価の分かれ目になるかもしれませんね。
蛇足ですが、開示書類作成歴6年の私のみるところ、TAKARA&COMPANYやプロネクサスのもつ専門知識のレベルは相当なものです。参入障壁を確実に維持できるレベルだと思います。実務の現場では、「印刷会社がそういってますけど」の一言に監査法人が恐れをなす様子が見られたりもします。
(2)キャッシュフロー関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
【筆者3点コメント】
①過去10年間、景気変動にも負けず、毎年プラスの営業C/F
②2021年5月末現在のキャッシュ残高は96.4億円の高水準
③2022年5月期の予想年間配当金58円をベースにすると、配当総額は約7億円。
2021年5月期のFCFは11.7億円で、十分これを賄うことができます。
ぜひ今後も、FCFの水準をコントロールして、事業規模を維持又は拡大しながら、安定した配当を続けてほしいものです。
直近10年の株価推移
直近の株価は、最近10年間の中でも高めの水準にあるようです。すっかり隠れこびとになってしまいました。税引後で3%程度の配当利回りを確保できるタイミングをじっと待ち、少ない投資金額で効率的に配当金を増やしていきたいものですね。
こびとの過去のつぶやき
こびと目線での決算速報やIR解説などを記事にしています。
ゆるゆるピックアップ!
企業の機密情報を取扱いますので、当社での勤務の間は株の取引はできません。
また、機密情報の取扱いについて採用時および、その後1年毎に、身元保証人を付した機密情報取扱いに関わる誓約書をご提出頂きます。
宝印刷株式会社 採用情報 募集要項
(出典:宝印刷株式会社HP 中途採用情報 グラフィックデザイナー 募集要項)
宝印刷は、勤めちゃいけない会社ですね!こびと株を買えないなんてっ!買えないなんてーーー! それだけ機密情報の管理がしっかりしているということなのでしょう。身元保証人が必要って相当ですよね? たからちゃんは、口の堅い良いこびとだってことですかねv
宝印刷の行間は広くて、プロネクサスの行間は、狭い。
経理業界ナビ
(出典:経理業界ナビ 宝印刷かプロネクサスかの確認方法(EDINET編) )
たからちゃんは情緒豊かってこと!? 思わせぶりなコメントですねー。たからちゃんは行間でかたるっ!
※上記のコメントは、どちらの会社が作成支援した有価証券報告書かによって、目次の行の幅が違うというお話の一部です。気になる方は経理業界ナビをご覧くださいね。
(最終更新日:2023年7月16日)
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