こんな方のための記事です。
文系の学生が就くことの多い仕事を一覧にまとめたので、文系大学生の職種選びについて考えるきっかけにしていただければと思います。
職業一覧(文系大学生向け)
まずは、文系大学生の就職について、職業別の割合をみてみましょう。
文部科学省の実施する「学校基本調査」によれば、大学(学部)を卒業した文系大学生は、
- 事務従事者:36%
- 販売従事者:30%
- 専門的・技術的職業従事者:22%
- その他:12%
になります。
※平成29年度の学校基本調査のデータをもとに、人文科学・社会科学・家政・教育・芸術を「文系」として集計しています。
一方で、文系大学生の7割強が営業職に就くとも言われています。(出典:DIAMOND ONLINE「文系学生の大部分がイヤでも「営業」に配属される事実を知っているか?」)
「学校基本調査」のデータには、
- 正規の職員等
- 正規の職員等でない者
が混在しています。
一方DIAMOND ONLINEの記事は、民間企業の正社員イメージしたもののようです。
数値が大きくちがうのは、このあたりに理由がありそうですね。
就活中は、「業種選び」や「会社選び」に目がいきがち。でもそれらと同じくらい、「職種選び」は重要です。
事務
いわゆる事務仕事です。基本的には内勤で、机に向かっている時間が長い仕事です。
経営企画
経営の方針や戦略を企画する仕事です。
- 予算の編成・管理
- 全社的プロジェクト(新規事業推進、組織改革etc.)の推進
- 各種経営会議の運営
といった業務があります。
会社によって果たす役割に幅があるものの、経営層との関わりが多いのが特徴のひとつです。
総務
組織が必要とする多様な業務のうち、他に担当のないものを一手に担う仕事です。
- 備品の管理
- 受付業務
- 秘書業務
- 株主の管理
- 福利厚生関連
- 契約書管理
- 社会貢献活動
- 会社行事の運営
といった業務があります。
業務の多様さが特徴のひとつです。
人事
人材管理に関する仕事です。会社によって業務範囲は様々ですが、
- 採用
- 異動・昇進
- 教育・研修
- 評価制度の作成・管理
- 労務
といった業務があります。
「キャリアコンサルタント」「社会保険労務士」などの資格と関連の深い仕事です。
経理
お金の管理に関わる仕事です。
- 資金の運用・管理
- 原価計算(原価管理)
- 決算書の作成
- 税務申告
- 経営判断のサポート
といった業務があります。給与計算や予算管理も行う場合があります。
「会計士」「税理士」等の資格をもってこの仕事に就く人もいます。
営業事務
営業担当者のサポートをする仕事です。
- 社内外の事務手続き
- 資料作成
- 電話・メールの対応
- 受発注
- 在庫管理
- 見積書・請求書の作成
といった業務があります。
気配りや臨機応変さなどを求められる裏方仕事です。
法務
組織が活動していく上で必要な、法律に関わる仕事を一手に引き受けます。
- 契約書のチェック
- 株主総会・取締役会等の議事管理
- 訴訟対応
- M&Aプロジェクトの推進
といった業務があります。
「司法書士」「弁護士」といった資格と関連の深い仕事です。
知的財産
知的財産権(特許権、商標権、実用新案権など)の管理を行う仕事です。
- 特許出願
- 自社の保有する権利の管理
- 他社の保有する権利関係の確認
といった業務があります。
「弁理士」の資格をもってこの仕事に就く人もいます。
資材
メーカーでは必ず必要とされる、資材調達に関する仕事です。
- 購買先の選定
- 納期・価格の交渉
- 物品の検収・管理
といった業務があります。
品質・納期・コストのバランスをとりながら、製品の安定供給や原価低減に努める仕事です。
商品企画・マーケティング
商品を企画する仕事です。市場のデータを分析して、どのような顧客にどんなものをどうやって売るのか考えます。
- データの分析
- アイデア出し
- 企画書の作成
- 社内(外)でのプレゼンテーション
といった業務があります。
営業を経験してからこの仕事に就く人が多いです。
広報・IR
情報発信を行う仕事です。発信する情報には、「商品やサービスに関するもの」「業績に関するもの」「その他活動内容(社会貢献活動等)に関するもの」などがあります。
- プレスリリースの作成・配信
- 取材対応
- オウンドメディア(ホームページ、ツイッター等)の管理
などの業務があります。
宣伝
様々なメディアを通じて広告・宣伝を行う仕事です。マーケティング戦略に沿って、企業にとって有用な広告宣伝活動を行います。
対象とするメディアには、
- テレビ
- ラジオ
- 新聞
- Web
- 交通広告
- イベント
などがあります。
公務員(事務系)
国・地方公共団体等で仕事を行います。
- 市役所等での窓口業務
- 政策の企画立案
- 予算の編成・管理
- 条例等の整備
- 防災対策の検討
- 広報
- 国際交流の推進
- 学校事務
- 警察事務
など、業務の範囲は様々です。
業務ごとに、取得が必要な資格がわかれています。
販売
商品やサービスを顧客に販売する仕事、いわゆる「営業」です。
営業職については、別記事がありますので詳細はそちらをご覧ください。
専門的・技術的職業
「専門的・技術的職業」には、研究者、技術者、教員、医師などが含まれます。いわゆる士業(※)もこの分類の仕事です。
「専門的・技術的職業」の中で、医療や製造技術に関する職業は、圧倒的に理系向きです。
※弁護士・会計士・社会保険労務士・司法書士など、「士」のつく専門的な職業をまとめて「士業」と呼ぶことがあります。
一方、教員などは文系向きの職業です。教員の文系出身者比率は、9割に上るというデータもあります。
また意外にたくさんいるのが、文系出身の情報処理・通信技術者です。
文系出身の「専門的・技術的職業」従事者のうち半分以上の人が、教員もしくは情報処理・通信技術者として働いています。
教員
小学校・中学校・高校などの先生です。
多くの場合、
- 教科指導(授業など)
- 部活動の指導
- 生活指導
を含めた役割を期待されます。また、事務仕事も多く、体力・知力・人間性など様々なものを求められます。
給与水準や仕事内容には、勤務先が公立か私立かによって違いがあります。
情報処理・通信技術者
プログラマー、ITコンサルタント、ソフトウェア開発者、サーバー管理者、情報セキュリティ技術者などが含まれます。
- システムに関する企画・管理・コンサルティング
- プログラムの開発
- 通信ネットワークの構築・保守
などといった業務があります。
臨床心理士
「臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の”こころ”の問題にアプローチする”心の専門家”(公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会HPより)」です。
- 臨床心理査定(心理テスト・観察面接等)
- 臨床心理面接(精神分析、行動療法等)
- 地域援助
- 調査・研究
などの業務があります。
裁判官・検察官・弁護士
就業にあたり、司法試験への合格が必要になる職業です。
それぞれ、
- 裁判官:裁判を行う国家公務員
- 検察官:捜査・起訴要否の判断・起訴した事件の立証などを行う
- 弁護士:裁判や審査請求・不服申立の代理人になる、法律に関する事務を行う
といった仕事です。
司法書士
法律に関する書類作成・手続きを代行する仕事です。
- 登記
- 簡易裁判の訴訟代理
- 少額の債務整理
- 審査請求
- 成年後見制度
- 帰化申請
などに関する業務があります。
「司法書士試験に合格する」「裁判所事務官等として10年以上勤める」等の方法で、司法書士になることができます。
行政書士
- 許認可申請書類の作成・提出代理
- 遺産分割協議書・示談書・定款等の作成
といった業務があります。
基本的には行政書士試験の合格が必要ですが、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格をもつ人や、20年以上行政事務を担当した人は、試験なしで行政書士になることができます。
公認会計士
主な仕事は監査です。企業等が作成した財務諸表が、適正なものであるかどうかをチェックする仕事です。
この仕事をするには、「公認会計士」の資格が必要です。この資格をもって、経理として働いたり、コンサルティングを行ったりする人もいます。
※会計士や税理士など会計系のプラチナ資格に興味のある方は「公認会計士と税理士の7つの違い!年収や業務内容を比較してみた」をご覧下さい。
税理士
- 税務申告
- 税務調査への立ち合い
- 関連する書類作成
- 会計帳簿の作成
- 税務相談への対応
といった業務を行っています。
この仕事をするには、「税理士試験に合格する」「税務署に23年程度勤める」などして、税理士登録をする必要があります。
社会保険労務士
- 労働社会保険に関する手続
- 労務管理の相談指導
- 年金に関する相談対応
- 裁判外紛争解決手続きの代理
といった業務があります。
社会保険に関する法律等に詳しく、職場のトラブル防止・解決に力を発揮する「人材の専門家」であることが求められます。
不動産鑑定士
その名の通り、不動産の鑑定・評価を行う仕事です。
不動産の鑑定・評価には、
- 地価公示
- 都道府県地価調査
- 公共用地取得
- 裁判
- 会社合併
などのためのものがあります。
また、不動産の有効利用のためのコンサルティングなどの業務も行います。
宅地建物取引士
不動産に関する法律の専門家です。
- 不動産取引に関する重要事項を説明する
- 重要事項の説明書類に押印する
などといった仕事があります。
宅地建物取引業者では、事務所ごとに5人に1人以上が宅地建物取引士でなければならないルールになっています。
中小企業診断士
経営の診断や経営に関する助言を行う仕事です。
- 企業の成長戦略の策定
- 戦略実行のためのアドバイス
- 行政の補助金・助成金の申請
などがあります。
「中小企業診断士」という資格は、日本で唯一の経営コンサルティングに関する国家資格です。
通関士
輸出入に関する手続きを行う仕事です。
- 申告書類の審査
- 輸出入者の代理人としての申告
といった業務があります。独立して仕事をするというよりは、企業等組織の中で働くことが多いようです。
輸出入申告の代理には「通関士」の資格取得が必要です。
介護福祉士
介護そのものや、介護に関する指導などを行う仕事です。
- 排泄介助
- 移乗介助
- 入浴介助
- 利用者のQOL向上に資する介護方法の立案
- その実践に向けた指導
といった業務があります。
高齢者・障碍者等の身の回りの世話にとどまらず、生活全体への関わり、自立に向けた支援なども求められています。
証券アナリスト
投資に関する情報やアドバイスを顧客に提供したり、顧客から預かった資産を運用したりする仕事です。
主に株式への投資を視野に、
- 経済状況
- 企業の財務状況
の分析・評価などを行います。
証券会社、銀行、保険会社などの金融機関に勤める例が多いようです。
※証券アナリストの資格試験について押さえておきたい方は「証券アナリスト1次・2次試験の対策まとめ」「証券アナリストに独学で合格する7つのポイント【合格者は語る】」をご覧ください。
記者・編集者
新聞・雑誌・Web媒体等の記事をつくる仕事です。
- 取材
- 執筆
- 編集
などの業務があります。政治、社会、文化、スポーツなど、それぞれの専門分野の記事に特化することが多いようです。
記事内容に関する企画や、デザイナー・カメラマンなどとの調整も、行う場合があります。
デザイナー
様々なものをデザインする仕事です。
- Webサイト
- 建築
- 照明
- ファッション
- 宝石
- インテリア…
活躍する分野は多岐にわたります。
意匠計画、図案作成、設計などの業務があります。絵を描いて形にするというだけではなく、顧客の求める価値をひきだすような設計が求められます。
図書館司書
図書館で働く専門的な仕事です。司書資格が必要です。
- 図書館資料の選択・発注・受入・分類・管理・貸出
- 読書案内
といった業務があります。
読み聞かせや読書会などのイベントを開催したり、子どもに本の探し方を教えたりといった仕事も行う場合があります。
学芸員
博物館で働く専門的な仕事です。学芸員資格が必要です。
- 博物館資料の収集・保管・展示
- 調査・研究
- 教育・普及活動
といった業務があります。
博物館には、美術館・科学館・動物園・植物園など様々なものがあります。学芸員の業務の内容も、勤務する博物館の種類によって様々です。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランニングを行う仕事です。
- 家計の見直し
- 老後の生活設計
- 教育資金・住宅購入資金の準備
- ローンの見直し
- 資産運用
- 保険の見直し
- 相続に関する悩み
など、お金に関わる悩みの相談に乗るのが主な業務です。「家計のホームドクター」的存在といわれています。
通訳・翻訳
ある言語を別の言語に訳す仕事です。音声を訳す仕事を通訳、文字を訳す仕事を翻訳といいます。
通訳には、
- ビジネスマンの通訳
- スポーツ選手や芸能人の通訳
- 観光客向けの通訳(ガイドを兼ねる)
などがあります。
翻訳には、
- ビジネスの資料
- 小説
など様々な翻訳対象があります。
その他
その他には、サービス職業従事者や保安職業従事者などが含まれます。
サービス職業には、
- 介護サービス職業従事者
- 接客・給仕職業従事者
- 居住施設・ビル等管理人
などがあります。
保安職業には、
- 自衛官
- 司法警察職員
などがあります。
文系の職業:たくさんあるので、向いてる仕事探しが重要!
こうして見てみるだけで、文系大学生の就く仕事にはかなりたくさんの種類があることがわかりますね。
もちろん、ここに書ききれなかったのもまだまだあります。これら以外の職業に文系の学生が就けないというわけではありません。(当然、理系の学生がこれらの職業に就くこともあります。)
向いている仕事さえわかれば、就活もスムーズに進みますし、就職後もきっとhappyになれるはずです。
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