こんな人のための記事です。
結論から言うと、簿記3級に意味があるか、意味がないかは、目的によります。この記事で
- 簿記3級に意味があるパターン
- 簿記3級に意味がないパターン
を、それぞれご紹介していきたいと思います。
私フルーツは
- 簿記歴・15年以上
- 経理歴・10年超
- 簿記1級取得済み
の現役経理部員です。
※この記事でいう「簿記3級」は、日商簿記検定の3級を意味しています。
目次
簿記3級に意味がないパターン3つ
まずは、ウワサ通り「あんまり意味ないかもねぇ。」と言わざるを得ないパターンを3つ、ご紹介していきます。
※「誰でも受かる」なんて言われがちな簿記3級ですが、実際の合格率は40%程度。決して「簡単すぎ」な資格ではありません。簿記3級に意味があるパターンは、後半でしっかりご紹介していきますね。
パターン①就職を有利に!
簿記3級で就活を有利に進めるのは、ちょっとキビシイですね。
- 履歴書には、書いてOK
- もちろん、資格ナシよりは◎
- 「簿記3級で就活は勝ち組!」というのは期待しすぎ
- 簿記2級まで取ると就活が有利になる
というのが現実です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
パターン②未経験で経理に転職したい!
未経験からの経理転職に使うには、簿記3級ではレベル不足と言えるでしょう。企業の経理採用では「実務で使うには、ちょっと足りないかなぁ」と見られるのが一般的。
簿記2級以上が必要だと思っておく方が、現実的だと思います。
とはいえ、可能性がゼロというわけでもありません。
- 転職市場が状態(売り手市場なら…)
- 他のスペック(年齢・学歴等が良ければ…)
- 転職先(会計事務所とか…)
によっては、簿記3級でも転職できるケースもあります。
今、経理業界は人手不足。完全な売り手市場で、未経験でもおいしい求人案件がゴロゴロ転がっている状況です。
気になる人は、一度転職エージェントに相談してみるといいと思いますよ。(おすすめは、管理部門特化のMS-Japanというエージェントです。)
パターン③会計知識バッチリのビジネスマンに!
残念ながら、こちらも簿記3級では難しいのが現実でしょう。
もちろん、何の勉強もしていない人に比べれば、会計的な考え方・モノの見方・表現の仕方において、一歩リードすることが可能だと思います。
けれども、「会計が分かる」というイメージのビジネスマンになるには、例えば
- 連結会計
- 損益分岐分析
- 支出原価と機会原価
といった分野への理解も、重要になってきます。これらはいずれも簿記1~2級の論点。簿記3級レベルでは未学習となってしまいます。
簿記3級が意味あるパターン3つ
そうでもないのが、簿記3級。
ここからは、簿記3級に意味がある3つのパターンを、ご紹介していきます!
パターン①経理・会計分野の適性チェックに!
簿記は、とても面白くて役に立つスキルですが、少々クセのあるスキルでもあります。
経理は、楽しくてラクな仕事ですが、かなり向き・不向きが分かれる仕事でもあります。
3級を取得するあたりまで勉強すれば、適性の有無はハッキリと自覚できるでしょう。
簿記3級が「どうにも理解できない」「ちゃんとやっているはずなのに受からない」という場合、原因は
- 取り組み方が間違っている
- 適性が無い
のどちらかで間違いありません。
まずは、①取り組み方を点検してみる。
それでもダメなら、②適性が無いものとあきらめる。
そんな距離感がオススメです。
パターン②ステップアップの第1歩として!
簿記3級は、そのままでは「もの足りない」と思われがちな資格ですが、ステップアップの第1歩としてはかなり優秀です。
- 簿記2級まで進めば、経理への就職・転職が有利に!
- 簿記1級まで進めば、会計専門家の端くれ
- 他資格(※)の会計科目を理解するための基礎にもなる
※税理士、会計士、証券アナリスト、中小企業診断士などなど…
※簿記3級は、最初の一歩・基礎の基礎。だからこそ、せっかく学ぶなら「深い理解」を心がけてほしいと思います。ここでどれだけ深められるかが、後々「意味があった」と思うか「意味がなかった」と思うかにも響いてきますよ。
パターン③個人事業の帳簿付けのために!
昔ながらの自営業者以外にも
- フリーランスだとか
- サラリーマンの副業だとか
個人事業で帳簿をつける必要のある人も増えているかな、と思います。
いわゆる青色申告を行うためには、原則として「正規の簿記による」記帳が必要要ですから、簿記3級から学習をスタートするのは◎。
もちろん、簿記3級の学習をしただけでは、
というわけにはいきません。
簿記3級で基礎の知識がついたら、所得税や住民税などについても少しずつ勉強していきましょう。
簿記3級は意味ないの?まとめ:目的別に考えよう!
- 就職活動
- 転職活動
- 会計知識をカンペキに
という目的においては、「簿記3級だけ持っていても、あんまり意味ない」のが現実です。
一方、
- 経理・会計分野の適性チェック
- ステップアップのための第1歩
- 個人事業の帳簿づけの基礎知識
としてなら、簿記3級はかなりのおすすめ資格です。
千里の道も、一歩から。簿記3級は、まさにその最初の一歩です。
「簿記3級なんて意味ないww」とバカにする人なんかに惑わされず、
- 簿記3級ではじめの一歩を踏み出し
- 確実な理解でステップアップして
- 会計スキルをあなたの武器に
しちゃって下さい。
それではまたっ!
※関連記事です。
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