こんな疑問・要望にお答えする記事です。この記事を読めば、
- 文系学生でもメーカーで働ける
- 文系学生がメーカーに就活するために取り組むべき重要ポイント
が分かります。ちょっと長い記事ですが、ごゆるりとお付き合い下さい♪
目次
文系大学生の「メーカー就活」に関する3つの前提
前提①:メーカーで働いているのは理系人間だけではない
このように「文系はメーカーに就職できない」と思い込んでしまう学生は少なくありません。しかし、これは大きな勘違い!
文系学生でもメーカーに就職することは可能です。
理系のような専門的技術を持たない文系学生でも、魅力的な製品を作っている「憧れのメーカー」に就職するチャンスは十分にあるのです。
事実、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタでも、毎年文系学生を100人以上採用しています。メーカーと言えど、理系の社員だけで会社を動かしているわけではありません。
例えば、仮に良い商品を開発できたとしても
- マーケティングする人(広告/宣伝)
- 販売する人(営業)
がいなければその商品がお客さんの手に届くことはありません。また、会社が存在するためには経理や法務といったバックオフィスの人員が必ず必要になります。文系学生でも力を発揮できる機会はいくらでもあるのです。
多くのメーカーでは理系限定の技術職と、文系中心の「総合職・事務職」を別枠で採用しています。狙うのは、技術職ではなく「総合職」。文系のための入口も用意されているというわけです。
ちなみに、就職四季報を見れば、文理別採用者実績を調べることができます。この本を読めば、文系学生と理系学生がどれぐらいの割合で採用されているかが一目瞭然です。
例えば「任天堂」では、学部卒の場合、文系理系の採用割合は1:1です。しかし、院卒の場合はほぼ100%理系のみの採用といった感じです。
就職四季報では、年収や有給取得日数、平均残業時間など、学生が気になる「待遇・福利厚生」についてもバッチリ調べることができます。
- 比較的待遇がよく
- ワークライフバランスがとれていて
- 文系学生も数多く採用している
優良ブランドを持つメーカー。そういうところが見つかれば、是非積極的にアタックしたいところですね!
前提②:文系でもやれる!これだけたくさんの職種がある
具体的に、文系学生はメーカーでどのような仕事に就くことになるのでしょうか?主要なところをザっと挙げてみると、こんな感じになります。
- 営業職
- 営業企画
- マーケティング/宣伝/広告
- 商品企画
- 法務
- 経理
- 人事
- 生産管理
- 物流
- システム
これでもかというほど、たくさんの職種がありますね。
やはり、このなかで一番配属される可能性が高いのは営業職でしょう。文系大学生の7割は営業に配属するとさえ言われています(出典:DIAMOND ONLINE「文系学生の大部分がイヤでも「営業」に配属される事実を知っているか?」)。
ちなみに、ひとくちに営業といってもその業務内容は様々です。どんなスタイルの営業があるのか、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
また、営業には向き・不向きがあります。もし性格的に向いていないのに配属されてしまった場合、相当なストレスを抱えたまま仕事を続けることになります。早い段階で他の職種を狙って就活したいところですね。
法務、経理、人事などは専門職ですから、大学で学んだこととの関連性が高かったり、関連資格を取得したりしていれば、チャンスがあります。
IT人材は今後も不足することが予想されていますから、スキルを身につけられれば引く手あまたの人材になれるでしょう。問題は、IT土方と呼ばれるブラックな扱いを受けるリスクが少なからずあるということですね…
とにかく、文系の大学生でも就ける職種は多いということだけはしっかり頭に入れておいて下さいね。
前提③:競争率は高め。他の就活生に差をつけようとする意気込みが絶対必要
文系学生でもメーカーに就職することは可能です。しかし、競争が激しいということだけはしっかり認識しておきましょう。
専門分野を持つ理系の学生と比べると、どの学部を出ていても大差ない文系学生の場合は決め手に欠けがちです。そうすると、結局
- 清潔感のあるルックス
- 高いコミュニケーション能力
- 強いリーダーシップ
を持った「クラスの人気者」みたいな学生が内定を取っていくことになるわけです。職場で発揮できる専門性を持たない文系学生だからこそ、大学で何を学んだかより「魅力的な人間かどうか」を厳しく判定されてしまうということです。
こういう勝負環境ですから、一体何をアピールすれば他の就活生に差をつけられるのか?を強く意識して選考に臨む必要があります。憧れの企業への面接のチャンスは1回限り!無策で突撃するようなことはしないように気をつけてくださいね!
就活対策!文系大学生が好きなメーカーに就職するための5ステップ
STEP①:業界研究・企業研究をする
業界の全体像を掴むために役立つのが業界地図です。目的の企業が大企業だろうと、中小企業だろうと、まずは業界全体の大きな流れを掴むところから始めます。キーワードは「広い視野」です。
色々な出版社から似たような本が出ていますが、会社四季報がオススメです。7年連続売上No.1なだけあって、非常に豊富な情報が盛り込まれています。
最低限、その業界が「上昇トレンド」にいるのか「下降トレンド」にいるのかぐらいはおさえましょう(例えば、商社業界は資源価格の復活などにより好調ですが、銀行業界はマイナス金利政策によって収益が激減し業績が大きく低迷しています)
次に、業界のトップ3社が
- 何を課題としていて
- どのような対策を打っているか
をおさえます。これがすなわち「業界の重要テーマ」というわけです。ここさえ外さなければ、面接でマトを外した発言をしてしまうリスクを小さくできます。
大事なのは、「全体における個の役割」をおさえることです。必ず、大きな流れをおさえたうえでその会社の立ち位置を理解するようにしましょう。木を見て森を見ずという状況に陥ってはいけないということです。
- 日本の中でその業界がどのような役割を担っていて
- その業界がいかなる状況にあって
- その業界の中でターゲット企業はどのようなことに取り組んでいて
- あなたは、そこで何ができるのか?(→STEP②で考える項目です)
こうやって筋道を立てて考えることができれば、学生にありがちな「一方的な思いだけを熱く語る」というようなミスを犯しにくくなります。冷静に、客観的な分析をしたうえでの発言ができるというわけです。
STEP②:自己分析をし、志望動機を組み立てる
自己分析と志望動機を組み立てる際のポイントは、「その企業の選考に関係のある部分をピックアップすること」です。
例えば、リクナビNEXTを使って「グッドポイント診断」(診断に時間がかかる分、精度が高いことで有名)をやると、あなたの5つの特徴を調べることができます。こんな感じのものが、合計で5つ表示されます。
そもそも、あなたの性格の特徴を表す言葉は10や20だけではないはずです。そのうち、最も特徴的なポイントを絞り込んでいって、就活に使える部分だけを探すのです。
間違っても「ありのままの僕(私)を見てもらうために素の自分でいこう」なんて思わないようにしましょう。
企業利益に貢献できそうな自分の特徴を見つけたら、その特徴を裏付ける具体的なエピソードを交えて肉付けしていくというわけです。具体的というのは、数字や固有名詞を使うということ。これらの数字や固有名詞は、インパクトがあればあるほど良いエピソードになります。
例えば、好奇心をアピールしたいと思ったら
- 大学内の部活・サークルに10個も所属していた
- それらの部活・サークルでできた友人と、3年間で合計14回も海外旅行に行った
- アルバイトを4つ掛け持ちして旅行資金を捻出した
- 参加していた部活の1つでは、〇〇〇大会で団体で準優勝し、個人成績も3位だった
こんな感じです。「好奇心を持って色々なことに手を出しつつも、飽きて中途半端になることなく結果も残せる」といったストーリーです。
こういう特徴を、業界の流れ(旧来のビジネスモデルに行き詰って、新たな道を模索している)、ターゲット企業の状況(新規取引先の開拓に向けて、3ヵ国に進出している)、などの状況と組み合わせて志望動機を組んでいくことになります。
STEP③:エントリーシートを完成させる
自己分析&志望動機の組み立てが終わったら、それらをエントリーシートに落とし込んでいきます。STEP①&②と違うのは、エントリーシートには制約が多いことです。例えば、こんな感じです。
- 電子データの提出ではなく、手書きで郵送が必須(今時は少ないと思いますが…)
- 回答の文字数が決まっている
- 提出期限が決まっている
いくらキッチリとした自己分析&志望動機が固まっていても、手書きが汚く、誤字脱字だらけだったら読まれないでしょう。また、150文字で回答せよと言われているのに、300文字も書いてしまっては論外です。提出期限を破れば不合格確定です。
優れた内容の自己分析&志望動機も、相手に読まれなければ意味がありません。
500文字の志望動機を200文字ぐらいにギュっと圧縮する際、「そうやって要約するの!?」というまとめ方をする学生を見かけます。要約に不慣れで、キーワードをうまく拾えないんですね。
大企業の人事担当者は、1,000枚も2,000枚もエントリーシートを読みますから、要点をおさえた綺麗なエントリーシートしか読みたくないのが本音です。そういうところを理解してあげて、相手の立場に立ちつつ、こちらの伝えたい情報をしっかりと伝えられた学生が内定を勝ち得るというわけです。
ちなみに、エントリーシートに関しては市販の対策本は読まなくて良いです。他者の記載事例に引っ張られてうまく書けなくなる場合が多いからです。
どうやって対策するかというと、第3者に添削してもらうのです。
STEP④:キャリアアドバイザーから助言を貰ってブラッシュアップする
こびと株.comメンバーが就活をしていた2007年~2010年には、まだ学生向けの就活サービスはほとんどありませんでした。せいぜい、リクナビやマイナビといった大手の「就職情報サイト」があったぐらいです。
しかし、今では新卒学生を支援する無料の就活サービスがたくさん生まれています。情報感度の高い後輩学生達は、このようなサービスをうまく利用して就活を有利に進めています。
就活のプロに見てもらうのと見てもらわないのとでは、天と地ほどの差が生まれます。気が付かないうちに他の学生に差をつけられて負けていたなんてことがないように、使えるサービスは貪欲に使っていきましょう。
- プロの専属アドバイザーがきっちりサポートしてくれる「キャリアチケット」
- スカウトを待ちつつ、キャリア相談も可能な「キミスカ」
1つだけ注意点ですが、自己分析・志望動機は6~7割くらい固めてから人に相談しましょう。人への相談は、その6~7割の完成度を8割,9割と高めていくために使うのです。ゼロを1にするために使うのではありません。
STEP⑤:ひたすら面接の練習
エントリーシートには2つの役割があります。
- 書類選考という意味でのエントリーシート
- 面接の基礎資料としてのエントリーシート
です。エントリーシートは、書類選考に使われてすぐ終わりというわけではありません。その後の面接で、面接官が手元に置いて参照することも多いのです。
つまり、面接がうまくいくかどうかはエントリーシートの出来具合にかかっていると言っても過言ではないのです(面接ではESはもう関係ない、という企業もないわけではありませんが)。
そういう意味では、面接の練習に入る前に、エントリーシートが十分なクオリティになっているかどうかしっかり確認してください。
もうエントリーシートで見直せることはない!!というところにきたら、あとはひたすら面接の練習です。面接の練習スタイルは2つあります。
- 第3者に模擬面接官をやってもらう
- 他企業の面接を受ける
どちらがオススメということはありません。2つともやるべきです。
先ほど紹介した就活支援サービスを利用して、業界に詳しいエージェントに模擬面接をやってもらうとか、志望度が低く選考日程が早い企業で実戦経験を積むとか、そういう形で面接に慣れていきましょう。
面接が苦手だ!!という学生に限って、そもそもそんなに回数をこなしていないのです。
10回もやればコツは掴めますし、30回もやれば何が起きても動じなくなります。余計なことを考えず、本番前に面接を10回受ける!!と決めてしまっても良いと思います。
イマイチ踏み出す勇気が出ない学生のために、素晴らしい動画を紹介しておきます。アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏の伝説のスピーチです。職探しは、本来楽しいものです。
就活対策上の3つの超重要ポイント
ポイント①:自分とそのメーカーの製品を結びつけた「自分だけの」エピソードを使うこと
メーカーの存在意義は、何といってもその製品です。
それにもかかわらず、志望動機に「その会社の製品と自分に関わるエピソード」が一切出てこないパターンをよく見かけます。
こんなアピールをしようものなら、
「それ、うちの会社に限った話じゃないよね」
という目線でバッサリ切られてしまいます。ちゃんと、その会社固有の製品名(ブランド名)を使って適切なエピソードを伝えましょう。
花王に就職したがっていた後輩学生が、花王での面接で「私はずっと花王製品を愛用しているんです。洗剤は必ずトップを使っています!!」と言って大失敗したと言っていました(※トップはライオン製品です。花王の洗剤はアタック)。
彼が花王を志望した本当の理由は「ホワイト企業だから」ということだったのですが、こういう志望動機の場合はエピソードに深みがでないどころか、こうやってすぐにボロを出してしまいます。
本当に志望度が高いなら、自分そのその会社の製品を結び付けた「自分だけのエピソード」がすぐに出てくると思いますよ!
ポイント②:ただのファンにならないように、どう貢献できるかを明示すること
ポイント①をおさえられる学生は半分ぐらいでしょうか。しかし、問題なのはここから。
あなたが「ただのファン」ではなく「企業の一員として会社に貢献できること」をアピールできなくてはなりません。これは、本当によく見かけるちょっと残念なアピールです。
もう少し踏み込んで、自分が今までに経験してきたこと・能力を使って、どのように会社のこれからに貢献できるかもアピールしていきましょう。
ポイント③:他の学生との「差別化ポイント」を明確にすること
要するに、他の学生とキャラがかぶらないようにするということです。差別化というと難しく聞こえるかもしれませんが、その方向性は2つしかありません。
- 一点突破型
- 掛け合わせ型
のどちらかです。
一点突破型というのは、
- 大学での成績がNo.1
- 運動部で全国大会で優勝
と言った、「誰がどう見てもスゴい」エピソードを使って自分をアピールするパターンです。特に難しく考えなくても、No.1は一人しかいませんから他の学生と差別化できてしまいます。しかし、こういったエピソードを持っている学生は多くはありません。
一方で、掛け合わせ型というのは、「3つ」の要素を掛け合わせて自分をアピールするパターンです。例えば
- 日商簿記2級
- TOEIC700点
- 基本情報処理技術者
の3つを持っていて、会計・語学・ITの基礎をバランスよく備えている人材であることをアピールするとか
- 部活では副部長
- バイトでは店長補佐
- 秘書検定1級
の経験・資格があり、リーダーの「サポートが得意な人材」であることをアピールするとか、そういうパターンです。
ポイントは、1つ1つを個別に見ると大した要素ではないということです。あくまで、これらを掛け合わせることによって(そして、それに一貫性・ストーリー性を持たせることによって)自分を他の学生と差別化するのです。
まとめ:文系だって好きなメーカーに就職できる!
最後に、もう一度この記事を振り返りをしてみましょう。どういうことだっけ??という項目があれば、ぜひ戻って読んでみて下さいね。
- 前提①:メーカーで働いているのは理系人間だけではない
- 前提②:文系でもやれる!これだけたくさんの職種がある
- 前提③:競争率は高め。他の就活生に差をつけようとする意気込みが絶対必要
- STEP①:業界研究・企業研究をする
- STEP②:自己分析をし、志望動機を組み立てる
- STEP③:エントリーシートを完成させる
- STEP④:キャリアアドバイザーから助言を貰ってブラッシュアップする
- STEP⑤:ひたすら面接の練習
- ポイント①:自分とそのメーカーの製品を結びつけた「自分だけの」エピソードを使うこと
- ポイント②:ただのファンにならないように、どう貢献できるかを明示すること
- ポイント③:他の学生との「差別化ポイント」を明確にすること
もし、エントリーシートを添削して欲しい!面接対策をやって欲しい!という要望があれば、ぜひこのブログのお問合せフォームからご連絡下さい。
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- SONY
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- パナソニック
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