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こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
一体、経理の転職タイミングはいつがベストなのでしょうか?
経理歴10年超の私なりの考えを、記事にしてみました。
- 景気の良い時=転職のベストタイミング
- 今の会社より自分を高く買ってくれるところがあるならスグ移れ!
- 今の会社より魅力的な業務にチャレンジさせてくれるところがあるならスグ移れ!
目次
経理の転職タイミング、ベストな時期は?
転職に最適な時期は人それぞれ。
これが誰からもツッコまれない優等生的回答でしょう。
しかし、それを承知したうえであえて踏み込んだ意見を言わせてもらうと、転職に最適な時期は、
極端な事例を出します。
たまたま就職氷河期に就職活動のタイミングが訪れた人達は、いまだに低賃金に苦しんでいます。
1990年代中頃から2005年頃まで続いた就職氷河期に就職活動をした人の賃金は、上がっていない――。
1990年代中頃~2005年に就職活動をした世代は、他の世代とくらべて能力が低かったから低賃金になってしまったのでしょうか?
そんなワケないってことは、誰にでも分かりますよね。
転職活動でも同じ話です。
- 転職市場が熱い時期に転職活動をした人は、満足のいく転職をしているし
- 転職市場が冷えた時期に転職活動をした人は、満足のいく転職ができていない
そういう傾向があります。
いくらプラチナ資格を持っていても、いくら優秀な実績を持っていても、転職市場が冷え込んでいて求人が少なければ勝負になりません。
さて、あなたは現在の経理/転職市場がどのような状況かご存知でしょうか?
これを知らない経理マンは、マーケットの重要性を理解せずに日々を過ごしているということです。
情報屋になってくれる優良な転職エージェントと、付き合いを持っておくと良いですよ。
具体的には、
といったエージェントと繋がりを持っておいて、定期的に転職市場の動向を教えてもらうのがよいでしょう。
別に、転職しろ転職しろと詰められるワケじゃないですから、ご安心を。
「個人の事情」と「市場の事情」は分けて考えよう
経理の転職タイミングについて語るうえで最も重要なポイントはコレ。
- 個人の事情
- 市場の事情
この2つをキッチリ分けて考えるということです。
そして「市場の事情」に重きを置きましょう。
個人の事情(ミクロ)を最優先させる人はうまくいかない
個人の事情というのは、例えばこういうことです。
- 上司が気に入らない
- 残業ばかりで生活が辛い
- 何年も同じ担当業務ばかりで飽きてきた
こういう目線で転職タイミングを探る人は、苦労している人が多い印象です。
私たちの労働力は「マーケットで取引されている商品」です。
需要と供給のバランスが大切だということを強く認識しておく必要があります。
例えば、
- 真夏の暑さで喉がカラッカラに渇いている人に冷たいコーラを売れば、喜んで買ってくれるでしょう
- 真冬の寒さに凍えている人に冷たいコーラを売っても、おそらく買ってくれないでしょう
いかにコーラ(あなた)が魅力ある優れた商品だったとしても、それを無理やり売ることはできません。
- 上司が気に入らないから転職したい! → 弊社には関係ありません
- 長時間残業に疲れたので転職したい! → 弊社には関係ありません
- 今の仕事に飽きたので転職したい! → 弊社には関係ありません
こう言われてしまうのがオチです。
あなたを売り込む最適なタイミングは、「あなたが自分を売りたくなったタイミング」ではないということです。
相手が自分を欲しがっているタイミングを察知する必要があります。大事なのはマーケット感覚です。
市場の事情(マクロ)に寄り添える人はうまくいく
相手が自分を欲しがっているタイミングを見極めて転職活動をする人は、うまくいく傾向にあります。
極論を言えば、個人の事情よりもマーケットの事情を優先させるということです。
という意見を否定する気はありません。
しかし、そもそも会社はあなたの自己実現を叶えるために設立されたわけではないということは知っておくべきです。
職場でともに働く上司や同僚は、あなたを幸せにするために存在しているわけではありません。
自己実現のために会社をうまく利用するという姿勢は大切ですが、自分の事情はさておき自分という商品を喜んで(高く)買ってくれる人を探すという目線も大切です。
ひとつ、印象的なエピソードをお話しましょう。
弊社の経理部に、転職歴2~3回の30代前半ナイスガイがいました。
- 英語・中国語が堪能
- 海外の駐在経験あり
といったスペックの彼と共に、私は海外子会社設立のプロジェクトを担当することになりました。当時の私たち2人の年齢を考えると、大チャンスということになります。
と彼もヤル気満々でした。
現地当局とのやりとりや、取引先の開拓などで、楽しくも忙しい日々が始まりました。
その激務のどまんなかで、
彼は転職により弊社を去りました。
このド外道、弊社に入社後も常に転職活動をしていたようです。
自分という商品を高く評価してくれる会社があるならスグ移るという、合理的な人間です。自分を安売りしないプロフェッショナルとも言えます。
弊社にいた転職組(転職回数の多い人達)は、おおむねこんな感じでした。
なるほどね~って感じですよね。
一方で、一度も転職したことのない人達は
- 職場に文句を言いながら
- ひたすらに資格の勉強を続け
- セミナーや読書などで知識を蓄え
同じ日々を繰り返しています。こういう「転職は、完璧に準備が出来てから」というタイプの人達は、ほぼ確実に転職しません。
つまりは、そういうことです。
個人の事情における経理の転職タイミング
転職市場の動向が最重要ですが、参考として個人の事情における転職タイミングについても簡単に触れておきたいと思います。
切り口①:年齢。何歳で転職するのが良い?
最初のチャンスは26歳~28歳ぐらいでしょう。
経験年数で言うと、3~5年ぐらいのタイミングです。
次のチャンスが30歳~33歳くらいです。経理歴8~10年ぐらいですね。
次世代のリーダー候補の年齢層になります。26歳~28歳と比較すると、もちろん要求されるスペックは高くなります。
とりあえずの最後のラインが35歳ぐらいでしょうか(ただ、最近では40歳手前ぐらいまでなら全然大丈夫なようですけどね。)。プレイヤーとしての実績で戦えるのはここまで。
40歳を過ぎると、かなりしっかりした経歴やマネジメント経験などがないと相手にされないようです。そもそもこの年齢層の求人は「管理職」なので、求人自体が少なめです。
うちの上司たちも「もう転職は無理」とよくボヤいてますね。
- 22歳で中小企業の経理に就職
- 26歳で外資系企業の経理に転職
- 30歳で日系グローバル企業の経理に転職
- 35歳で外資系企業の経理に転職(マネージャーポジション)
→外資系企業でCFOを目指す
20代から「自分のキャリアは自分で作る」という意識があった人と、30半ばである日突然自分のキャリアに疑問を持った人。大きな差がつくのは言うまでもないですね。
切り口②:経験。どこまでやったら転職すればいい?
- FP&A(財務企画・分析)
- CFO(最高財務責任者)
など「なりたい将来像」が見えているのなら、特定ジャンルの経験をある程度積んだ時点で、別の会社に移った方が良いです。
経理業界は、未経験者には厳しいですが、経験者には比較的やさしい業界です。
とはいえ、経理業界のなかでも住み分けは存在しています。
- 財務会計(決算、開示業務など)
- 税務会計(法人税や消費税の申告など)
- 管理会計(予算・原価など)
- 財務(資金調達・運用)
20代のうちは「経理」という一括りで見られるので、財務会計の経験者が管理会計のポジションに応募してもチャンスがあります。会社で育てれば良いと思ってもらえるからです。
しかし、30歳を過ぎたあたりからジャンル間の移動が難しくなります。
即戦力として、未経験ジャンルではなく経験済のジャンルでの活躍が求められるからです。
- 財務会計に飽きた!
- でも今の会社では税務申告や管理会計は担当できそうにない!
そう思ったら、できるだけ早いタイミングで転職をした方がベターです。
特にFP&Aのような人気職種は、歳をとってから経験させてもらえるような職種ではありません。
- 1年目はドタバタと対応
- 2年目でソツなくこなし
- 3年目では業務改善する
決算にせよ、開示にせよ、税務申告にせよ、予算管理にせよ、4年も5年もダラダラやらされるようなら、新天地で新しい経験を積んだ方が良いかもしれないですね。
切り口③:資格/学歴。取ったら転職して良い?
- 日商簿記1級に受かったら転職する
- TOEICで800点取れたら転職する
- USCPAに合格したら転職する
- MBAが取れたら転職する
こういう切り口も悪くはないです。1つの区切りとしては分かりやすいタイミングと言えるでしょう。
少なくとも日本企業の給与の仕組みでは、会社に残ったままで資格取得の努力が評価される可能性は、低いからです。
- 今の会社に残る:報酬を増やすには昇進しないとダメ(しかも他の人より早く昇進しないと意味がない)
- 転職する:スグに年収アップが狙える
1つだけ気をつけておきたいのは、
市場動向>資格/学歴であることが、よくあるということです。
これは、実際に身の回りでおきた出来事です。
- 資格に受かる前に「とりあえず」転職活動を始めた知人が、上場企業に転職を果たし
- 資格に合格してから「自信をもって」転職活動をした知人が、望む企業から内定を貰えなかった
資格合格・学歴取得というのは個人のタイミングの話ですからね。
評価されないということはないですが、やはり企業の採用熱の高さは重要です。
まとめ:常に転職市場と接点を持っておこう!
- 会社からの評価(年収)
- 転職市場からの評価(年収)
この2つを常に比べるようにしましょう。どんなに少なくても、2年~3年ぐらいに1度くらいはチェックすべきです。
具体的には、
- 20代なら:マイナビAGENT
- 30代以降なら:JACリクルートメント
といった転職エージェントと繋がりを持っておいて、定期的に転職市場の動向を教えてもらうのがよいでしょう。
転職したいかどうかにかかわらず、常に市場価値をさぐっていれば、転職のベストタイミングは自然と見えてきます。
経理は専門職ですから、あなたの能力を高く買ってくれる企業はあるはずです。
- 景気の良い時=転職のベストタイミング
- 今の会社より自分を高く買ってくれるところがあるならスグ移れ!
- 今の会社より魅力的な業務にチャレンジさせてくれるところがあるならスグ移れ!
あなたは「労働力」という商品のオーナー。
安売りしていてはゼッタイにダメですよ。
それではまたっ!
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