こんな人のための記事です。
- 経理は、英語力を活かせる仕事
- 英語を使う場面は、経理部内でもどんどん増えている
- 英語ができる経理部員は、転職市場での評価が高い
というのは事実ですね。
とはいえ、英語嫌いの経理部員にも生き延びる道はあります。
目次
年収アップしたい経理が英語を身に着けるべき5つの理由
経理と英語ができる人材は、近年特に求められています。特に、待遇の良い大手企業の経理部では、英語を必要とする業務が増加を続けています。
理由①連結決算をやるのに、海外とのコミュニケーションが必須になりつつある
グループ内にいくつもの会社を抱える大手企業にとって、外部公表数値のメインは、なんといっても連結決算です。
なぜなら、グローバル化していく会社が多いからです。日本の少子高齢化と、それに伴う消費の先細りを思えば、企業が海外展開を考えるのは当然ですね。
海外に子会社がひとつでもできれば、とたんに経理部での英語力への需要が高まります。連結決算のためには、海外子会社ともコミュニケーションをとる必要があるからです。
- 海外子会社の商流把握
- グループ会計方針の説明
- 連結パッケージの回収
などの場面で、英語がキーになってくるわけです。
ところが、英語のできる経理部員は、まだまだ貴重な存在。
グローバル化している大手企業は、年収など良い条件を提示してでも、英語&経理のできる人材を採用しようとするわけです。
理由②海外との契約も増えている
- 海外子会社なんて無い
- 単体決算を担当している
という経理部員でも、
というケースが増えていると思います。
※繰り返しますが、日本は少子高齢化。消費の減少は目に見えていますから、企業が海外展開を考えるのは自然の流れです。
そんなときにも、英語のできる経理部員は必要とされます。
- 契約書は英語
- 請求書も英語
- 取引先にメールで質問しようにも英語
だからです。
理由③国際税務がクローズアップされている
近年、経理業界では「国際税務」という分野に注目が集まっています。
- 移転価格
- 文書化
- BEPS
- 租税条約
- タックスヘイブン
といった言葉を耳にする機会も増えていることでしょう。
そして、この国際税務の検討を行う場合、英語力の重要性は無視できません。
- 海外の子会社・取引先とのやりとりが発生
- 基準を定めた文書の原典が英語
- 個別取引の資料(契約書等)が英語
ということが多いからです。
もちろん、コンサルタント等の助けを借りつつ、主として日本語で対応することも不可能ではありません。
とはいえ、
- 各種技能(※)を兼ね備えたコンサルを探すのに手間取る
- コンサル費用が高額になる
- 仕事のスピードが落ちる
※税務知識・英語力・コミュニケーション能力など
といったデメリットが生まれてしまいます。
理由④海外絡みのプロジェクトは経験値稼ぎができるものが多い
海外の絡んだプロジェクトには、経理部員として重要な経験を積めるものが少なくありません。
- 海外M&A
- グローバル・キャッシュ・マネジメント
- 海外子会社管理のための組織再編
- グローバル税務管理 …etc.
これも、年収アップしたい経理部員が英語を身に着けるべき理由のひとつというわけです。
理由⑤IFRSへの移行も増えている
さらに、会計基準の問題もあります。日本の会社でも、IFRS(国際財務報告基準)で財務報告を行う会社が年々増加中です。
2022/6末時点で、東証に上場している会社(3,770社)のうち、
- IFRS適用済:247社
- IFRS適用決定:12社
- IFRS適用予定:5社
- IFRS適用検討中:155社
といった状況です。
IFRS適用済み企業は、具体的には、伊藤忠・武田薬品・富士通・ファーストリテイリング・ソフトバンク・花王・味の素など。そうそうたる大企業たちですね。
東証も「IFRS対応の重要性」を語っていますし、金融庁も「IFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要」としています。
そして、このIFRSの原文は、もちろん英語。
日本語訳は存在するものの、読み取りの深さや速さ(特に会計基準改正時)を考えると…
という人には、ぜひ、英語を活かして経理で働いてみてほしいと思います。
今、経理は業界全体が人手不足。英語ができる人材は特に、ニーズの高い存在です。
今の勤め先で、せっかくの英語力を活かしきれていないと感じている人は、ぜひ一度転職エージェントに相談してみて下さい。
- おもしろくてやりがいのある仕事
- 年収や待遇がアップ
- スキルが身に着く
といいことずくめの転職先が、見つかってしまう可能性があります。
最初は「転職エージェントなんて…」と思うかもしれませんが、相談するだけならノーリスクです。完全無料ですし、「相談したなら絶対転職しなきゃダメ!」ということもありません。
経理が英語力で年収アップするためのポイント5つ
5つのポイントを、ひとつずつ解説していきます。
ポイント①資格をとる:TOEICのスコアアップ
1つめは、資格をとっておくこと。具体的には、TOEICのスコアアップをしておくことです。
なかでもTOEICスコアは、その知名度に定評があります。
実際、採用時にTOEICスコアを気にしている会社はかなりの割合。
(国際ビジネスコミュニケーション協会「就職やキャリアアップに役立つTOEIC Program」より抜粋)
ちなみに、TOEICスコアだけを伸ばすなら、それほど時間はかかりません。
英語力をアピールして年収をあげたい経理部員にとって、悪くない自己投資になると思います。
ポイント②資格をとる:USCPAの取得
取得する資格として、TOEICとならんで有効なのが「USCPA(米国公認会計士)」です。
USCPAは、英語力と会計の知識を一度に証明できる資格。
ただし、その人の状況によって効果の度合いは異なるので、チャレンジする前にきちんと情報収集をしておく必要があります。
ポイント③実務経験をアピールする
3つめのポイントは、実務経験のアピール。実際に「仕事で使える英語」を身に着けていることを、実績をもって主張することも重要です。
- 英語でメールを書いたり
- 海外とスカイプ会議をしたり
- 英語の資料を読んだり
身の回りの「英語を使う機会」に、積極的に挑戦しましょう。
語学は、コミュニケーションの一手段。実際に「仕事で使える」かどうかには、英語力以外の要素も絡んできます。
度胸・慣れ・ボディランゲージ・表情…こういったものでカバーしつつ、とにかく仕事の目的を達すればそれでOK。
カンペキな文法や豊富な語彙力がなくとも、実務をこなした実績は必ず活きてきます。
経理実務にぴったりの英語教材は、なんといってもアニュアルレポート。
手の空いた時間に他社のアニュアルレポートを読んでおくことは、経理部員の英語力アップにかなり貢献してくれると思います。
- 企業情報をきちんと把握できて
- 英語の復習もできて
- その会社の経理部でよく使う単語も見えてきて
かなりメリットが大きいと思いますよ。
ポイント④英語案件に強いエージェントを利用する
4つめのポイントは、英語を活かせる求人案件をたくさん持っている、質の良い転職エージェントを使うことです。
自分自身がどんなに努力して英語&経理でニーズの高い人材になったとしても、適切な企業と出会うことができなければ、
- 自分の能力を活かすことも
- 年収を上げることも
- さらなるスキルアップをはかることも
できないでしょう。
おすすめは、JACリクルートメントです。
- 外資系企業に強い
- ハイクラスの求人案件をたくさんもっている
- 専門職のサポートに慣れている
- エージェントが親切で優秀
というわけで、私自身お気に入りのエージェントさんです。
※実際に利用した経験を踏まえておすすめしていますので、安心してご利用くださいね。
ポイント⑤年収にこだわる
最後に確認しておきたいのは、しっかり年収にこだわって転職活動をすること。
「転職するなら、こんな会社!」と夢をふくらませると、様々な希望条件がうかんでくることと思います。
- 勤務地は~
- 役職は~
- 企業規模は~
- 仕事内容は~
実際に自分が働く場所として考えれば、いろいろな面で希望を満たしたいと思うのは当然です。
年収アップをねらって転職するなら、絶対に年収にこだわるべきです。
「おカネが最優先なんてださいかな」なんて雑念に、とらわれてしまわないように気を付けましょう。
英語を避けたい経理部員のための要注意ポイント3つ
英語嫌いの経理部員にも生き延びる道はあります。
ポイントは3つだけ。
- 「得意」をつくる
- 環境を選ぶ
- 人を攻撃しない
ひとつずつ、詳しくみていきましょう。
ポイント①「得意」をつくる
まずは大切なのは、得意分野をつくること。誰からみても明らかに、「彼の得意分野だよね」とわかる強みを見つけましょう。
- 税金で困ったら、~~さんだよね
- 他部署との交渉は、~~さんが大得意
- システムのことなら、~~さんに聞くのが一番
という感じです。
ある分野で
となれば
なんて話も通りやすくなります。
逆に言えば、
- 英語は嫌い
- 税務も苦手だし
- 連結もわからない
- PCも得意じゃないし
- 交渉なんか絶対ムリ
みたいな話は通らないということです。あれもダメ、これもダメ、得意分野はありません…なんてことでは、周りも困ってしまいますよね。
できることがあるから、できないことも許される。
できることでフォローするから、できないことはフォローしてもらえる。
「得意を活かす」「チームで対応する」って、そういうことですよね。
ポイント②環境を選ぶ
それから大切なのは、「長所に注目する職場」を選ぶこと。
キラリと光る得意分野がある人に対して
という職場と
という職場があります。
短所に注目したがる職場は、英語嫌いさんには向きません。いくら成果をあげても認められず、ただただ「キミは英語がダメだから」とばかり言われ続けるハメになるからです。
そんなときは、転職も含めて検討してみてください。苦手なことばかりやらされるようだと、わりと深刻に疲労してしまう可能性があります。
一度、転職エージェントの話をきいてみるといいでしょう。
- 本当に「絶対英語ができなければダメ」なのか?
- 自分の得意分野にはどのくらいの価値があるのか?
確かめてみてもバチはあたりません。
無料ですからノーリスクですし、誰にもバレたりしませんよ。転職を強要されるようなこともありませんから、安心して相談してみてくださいね。
ポイント③人を攻撃しない
最後にこれも超重要なのが、自分から人を攻撃しないことです。
- 同僚
- 上司
- 先輩
- 後輩
- 取引先
日々の仕事は、いろいろな人と関わりながら進めていきますよね。
その中で
とイラっとしてしまう瞬間も、あると思います。
でも、落ち着いて考えてみてください。弱みや短所、苦手分野というのは誰にでもあるものです。
お互いの苦手を許しあい、得意で協力する環境で働いていけばよいのだと、個人的には思います。
- 自分のできないことは許してほしい
- でも人のできないことは許せない
これは、なかなか通りませんよね。
反対に、自分が普段から他人の短所を許し長所を尊ぶ行動をしていれば、相手もそうしてくれる確率はグッと高まります。
経理の英語まとめ:ダメでもなんとかなるけど、できれば年収アップに結びつく!
経理部員は、英語ができた方がいい。現状、これはゆるぎない真実です。
「英語力を身に着けて年収アップするぞ!」という経理部員は
- 資格をとる:TOEICのスコアアップ
- 資格をとる:USCPAの取得
- 実務経験をアピールする
- 英語案件に強いエージェントを利用する
- 年収にこだわる
といった点に気を付けて、希望通りの転職を達成して下さい。
優秀なエージェントは、「あなたの経歴だと、どの程度の資格・実務経験が必要になるか」をしっかり判定してくれますので、まずは相談してみるのが第一歩だと思います。
※英語を活かした経理の転職には、ぴったりのエージェントです。経理の経験がそれなりにある人は「とりあえず相談」が最適解でしょう。
一方、「英語はできないけど、なんとか生き延びるぞ!」という経理部員は
- 英語以外の「得意」をつくり
- 長所を伸ばしあえる環境を選び取り
- 周囲の人の苦手を許す
ことが重要です。
ひとつひとつクリアして、自分の得意を活かせる働き方を目指してみて下さいね。
英語と上手に付き合うことで、ぜひぜひより良い経理部員生活を選び取って下さい。
それではまたっ!
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