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こんな人のための記事です。
私こびと株は、経理歴10年超の経理のプロです。仕事や交友関係を通じて、たくさんの経理の現場を見てきました。
このリアルな経験をもとに「経理は激務?」という疑問にお答えします。
- 経理は激務だと主張する人はいる
- 一方で、経理はホワイトだと主張する人もいる
- 2人の差を分けるのは「会社の状況」
ちゃんと利益が出ていて経理部門を軽んじていない会社であれば、必然的に経理はホワイトになります。
万が一激務な職場に行ってしまったら、転職すれば即解決です。
経理は激務派の主張
まずは「経理は激務派」の主張から見てみましょう。
経理は激務派の主張①四半期ごとの決算するのがキツイ
2008年、株式を上場しているような大企業に対して、法律により四半期報告書の提出が義務付けられました。
それまでは中間・期末の2回しか決算がなかったのに、この制度の導入後は決算の回数が年4回に。
これが現場にとって大きな負担になっているのです。
担当業務次第では、1年中決算をやり続けているような人もいたりとか…
経理は激務派の主張②経理部の業務の幅が広すぎる
中小企業でありがちなケースですが、小規模な会社では、経理部員が「総務や人事の仕事」も兼任するケースが多いです。
- 現金の管理
- 給与の計算・支払
- 備品の管理
- 決算業務
- 契約関係手続 …etc.
誰がやるのか分からない事務仕事はとりあえず経理部に、という感じですね。
こうして大小様々な業務が増えていき、いつしか「社内の何でも屋さん」状態に…
経理は激務派の主張③人手不足
激務というのは、つまり1人あたりの仕事量が多いということです。
つまり人さえ増えればすぐに解決するわけですが、そう甘くないのが会社の世界。
「それぐらいお前1人でできるだろ」という風に見られてしまうと、誰の助けも借りられず激務スパイラルに陥ってしまいます。
経理は激務派の主張④システム投資がされていない
- 手書き文化
- 紙の文化
- ハンコ文化
人によっては信じられないかもしれませんが、こういう会社はまだまだたくさんあります。
電子化が遅れていると、すべて人間の手作業で業務を行うハメになりますから、業務工数は大幅に増えてしまいますね。
経理は激務派の主張まとめ
ここまでの意見を一旦まとめてみましょう。
- ずっと決算やってる気がする
- 人事/総務の仕事までやらされてる
- 人員を増やしてもらえない
- システム周りが弱すぎる
→経理って激務だ!
※ちなみに、粉飾決算や脱税など、犯罪の片棒を担がされるようなガチのブラック経理もあります。激務とかいうレベルではなく、これはもう論外ですね…
経理はホワイト派の主張
さて、お次はホワイト派の反論です。
ホワイト経理の主張①スケジューリングに主導権がある
会社内における経理部門の立場が強ければ、決算に必要な資料を自分たちが必要なタイミングで要求することができます。他部署に対してしっかりと要求が通せるということです。
激務な経理マンは人に振り回されますが、ホワイトな経理マンには主導権があります。この違いは非常に大きいです。
ホワイト経理の主張②付加価値の高い業務に集中できる
- 予算統制
- 原価管理
- 資金調達/運用
- 投資案件の採算シミュレーション
このように、経理には決算以外にも重要なミッションがたくさんあります。
何でも屋として仕事を押し付けられているようでは、いつまで経っても「付加価値の高い経理業務」にチャレンジすることはできません。
自分達の価値を理解しているホワイト経理マンは、雑務やミッション外の業務を黙って押し付けられたりしないわけです。
重要性の低い業務を「じゃあそんなの辞めちゃおう」と言えるのも、ホワイトな経理マンの特権ですね。
※経理にはカースト(階層)があります。付加価値の高い業務は第1階層の仕事、何でも屋は第4階層です
ホワイト経理の主張③人手不足は、人を増やして解決
- 本来、経理部門がやるべき業務(理想)
- 現在、経理部門でやっている業務(現実)
このギャップを埋めるために人員が必要なら、それを経営層に訴えて納得してもらえばいいだけということです。シンプルですね。
ホワイト経理の主張④システム投資は当たり前
単純事務はシステム(最近ではAI)に任せる、外注する。これがトレンドです。
そうやって自動化・外注化をしてもなお残った業務というのが、経理という専門家集団がやるべき業務というわけです。
経理はホワイト派の主張まとめ
ホワイト派の主張をまとめます。
- 決算スケジュールぐらいしっかりコントロールせよ
- 業務を押し付けられるな。付加価値の高い業務をやれ
- 人員の必要性ぐらい論理的にプレゼンせよ
- 最新システムの投資効率を論理的にプレゼンせよ
→つまらない業務は自動化・外注。経理の仕事ってホワイトだし専門的で楽しい!
激務派とホワイト派、まったく話がかみ合ってない感じがしますね。この差はどこから生まれるのでしょうか?
激務かどうかを分けるたった2つのポイント
話は非常にシンプル。激務かホワイトかを分けるポイントはたったの2つです。
- 会社が稼いでいるか
- 経営陣は経理部門に期待しているか(経理部門を軽んじていないか)
会社が稼いでいるか
稼いでいるかどうか、というのは要するに、
- 現在、利益が出ているか
- 将来の成長も見込めるか
ということです。
稼いでいる会社は余裕のある会社です。人員にしてもシステムにしても、投資をする余裕があります。
いくら状況を切実に、そして論理的に訴えたところで、会社に余裕がなければ対応してもらえるはずがありません。
「働き方改革よりも稼ぎ方改革」という意見があるように、重要なのは会社の収益力です。
経理部門に期待しているか(経理部門を軽んじていないか)
いくら会社が稼いでいても、経理部門が何の期待もされていなければ、投資してもらえるわけがありません。
- コストばかりかかってしょうもない
- CFO的な機能(予算統制や投資案件の管理)を期待
どちらの見方をされるかで、経理の立ち位置は随分変わってきます。
「経理なんてただの集計屋さんだよね」という考えをもっている経営層がいると、経理部門の立場は非常に弱くなってしまいます。
「経理なんてしょせん…」という会社と、「経理にはおおいに期待している!」という会社は、見事にスッパリ別れています。
参考:経理そのものはホワイト職種
経理そのものは、比較的ホワイトな職種だと思います。
- 個人プレイの業務が多く、個人でスケジュールを管理できる
- 営業のようなノルマがない
- モンスタークレーマー(お客、クライアント)を相手にしなくていい
- 繁忙期と閑散期がハッキリ区別されているので有給をとりやすい
- 法令遵守 is 正義(ベテラン社員や会社の謎理論に振り回されなくていい)
- 経験を積めば積むほど転職価値が上がる傾向にある
といった感じで、いくらでもメリットを挙げられます。
この快適空間を得られるかどうかは
- 個人の仕事力の問題ではなく
- 単に会社選びの問題
なので、せっかく経理で働くならホワイトな職場を選びたいものです。
結論:経理自体はホワイト。激務が嫌なら会社を変えれば解決です
経理という職種自体は、比較的ホワイトです。
一方で、経理は激務だ!という人達もいます。その差を分けるのはこの2つ。
- 会社のビジネスモデル(しっかり稼いでいるか、今後も成長が見込めるか)
- 経営陣は経理部門に期待しているか(軽んじていないか)
もし、収益力の低い会社で、しかも経営陣が経理部門を軽んじているようなところなら、迷わず転職の道を選びましょう。
優秀な転職エージェントなら、企業の細かな現実をバッチリ把握していますので、一度相談してみるとよいでしょう。具体的には、
- 20代:マイナビAGENT
- 30代以降:JACリクルートメント
がオススメです。十分な参考情報を提供してくれるはずです。
※どちらも私自身に利用経験があり、無料なのに親切・優秀でおすすめできるエージェントさんです。
世の中、どうしても構造的にブラックになりがちな職種があります(不動産関係の営業や介護関係、IT土方と呼ばれる下請けプログラマなど)。
こういう職種ではいくら転職をしても待遇を変えにくいのが現実です。会社ではなく、仕事そのものを変えないと生活が楽にならないパターンです。
しかし、経理は違います。場所によっては地獄、場所によっては天国というように、会社環境に大きく影響される職種です。
幸い、経理には専門性があり、非常に転職しやすい職種です。もし不運にも激務な会社に当たってしまったら、すぐに脱出するのが大正解です。
それではまたっ!
※関連記事です。経理の年収の上げ方・未経験から経理になる方法について解説しています。
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