こんな疑問にお答えします。
私は新卒で入社して以来10年超、ずっと経理/財務をやっている現役の経理マンです。
- 経理の平均残業時間を示す信頼できるデータはない
- 残業ゼロの経理部員は間違いなく存在する
- 残業時間が少ない会社(経理)の3つの特徴
→ホワイトな経理の職場は絶対ある!長時間労働を避けて、ゆとりある暮らしを!
目次
経理の平均残業時間は調べられない
いきなり残念な結論ですが、経理の平均残業時間は調べられません。
- (信頼性のある)データは公表されていない
- 季節変動性が大きくアテにならない
からです。
データを調べるとき、最初に見るのは国が行う統計調査です。
労働時間については、厚生労働省の毎月勤労統計調査という調査で調べられているのですが、ここは職種別の残業時間のデータは載っていません。
しょうがないので民間企業の調査で調べてみると、「Vokers」という転職サイトがこんなレポートを出していました(「約6万8000件の社員クチコミから分析した‘残業時間’に関するレポート」)
職種別だとこんな感じです。
経理はこのランキングには入ってないです。良かったですね。
とはいえ、どこまで信頼して良いか分からない民間の調査(口コミの内容とか、いい加減なものが多いですしね)。経理の平均残業時間がどれくらいなのか、ハッキリ分かるデータではありません。
さらに、経理の仕事は閑散期と繁忙期が明確に分かれているんですよね。だから、
って言われても、アテになりません。
繁忙期の30時間なら少ないですが、閑散期に30時間残業があるなら多いです。
年間360時間の残業を12ヶ月で割ると30時間。こういった計算をしている場合、決算期に60~80時間で他の月は10~20時間みたいなところが多いんじゃないでしょうか。
とにもかくにも
- 信頼できそうな統計データはないし
- あったとしても、季節変動が大きいので平均残業時間をアテにはできない
こんな感じです。
私の感覚では、月40時間の残業が許容できる最大時間ですね。年間だと300時間ぐらい(月25時間)。それ以上やっている経理はかなり忙しいという印象です。
※付き合いのある転職エージェント(経理担当)いわく、月50~60時間の残業が常態化していたら相当劣悪な環境のようですね。
さて、信頼できる統計データは見つけられませんが、ホワイト経理マンの個別事例を探すのは結構簡単です。参考事例を2つほど紹介します。
事例①上場企業経理の残業時間は?
まず、私の勤務先の場合です。一部上場のいわゆる大企業です。
現役経理正社員。残業ほぼナシ
私に関して言えば、不要な残業は一切やめました。「繁忙期と閑散期が~」みたいなことを言いましたが、繁忙期でも残業はほとんどありません。
本人にその気があれば残業しない生活は全然可能です(もちろん会社の状況にもよりますが)。
残業を減らすためのスキルとしては
- 会計・税務的な専門性
- PCスキル
が重要なポイントになります。
さすがに会計や税法が分からず、PC操作もおぼつかないのに残業ゼロ…というのはちょっと難しいかもしれません。
簿記1級や、MOS程度のスキルがあると◎ですね。
そもそも残業がない文化の会社なら全然大丈夫なんですけどね。
派遣さんたちはキッチリ定時退社
正社員とは事情が異なり、派遣さんたちはみんな定時帰りしてます。やることやって、即帰ります。
残業なんてありえません。
ただし、ガッツリ残業して実績を積むことで
- 正社員になる
- 正社員として他社に転職する
という人もいます。
キャリアアップしたい派遣さんにとっては、むしろ好きなだけ残業できる環境の方が良いのかもしれません。
参考:働き方改革による残業規制強化
電通に勤めていた女性従業員が、過労死自殺に追い込まれた事件。これにより電通の信頼・評判は失墜しました。
東京簡裁での判決後、報道陣の取材に応じた電通の山本敏博社長は「働き方でも働きぶりでも信頼していただける会社になる。それが私の最大の責任」と、働き方改革に向けた決意を改めて口にした。
(出典:産経ニュース「山本敏博社長、改革に決意 「働き方、働きぶりで信頼を」」)
大企業であればあるほど、このような労務問題を起こしたときのイメージダウンは大きくなります。私の勤務先でも、この事件以来、労務管理が厳しくなったように思います。
うかつなことができない大企業の方が、就労環境は良いかもしれないですね。
事例②:未上場中堅企業の残業時間は?
とはいえ、未上場企業でもホワイトなところは全然あります。
ブロガー仲間でTwitterでも交流がある「Shunponさん」のブログでは、こんなことが書かれています。
自分は
・毎月1日くらいのペースで有給を取る。年間通してみるとほぼフルに有給取得する
・定時帰り
・1時間に1回は休憩を入れる。
・気分転換を兼ねて勉強しに東京までセミナーを受けに行くこともある(会社経費)
・無駄にトイレ多い
・他社の分析や会計の勉強をしながら文章にまとめたり
周りの人は
・離席したと思ったらどこかで雑談して数時間後に戻ってくる事が多い
・瞑想している
・週1回くらいよくわからん出張に行く
・Amazon見てたりする
経理最強ッ!
この記事には、同じ現役経理マンの私からみて「あぁ、そうなんだろうなぁ」と思うところが、たくさんあります。
別に大企業に限らず、ホワイトな就労環境の経理はどこにでもありそうですね。
ちなみに、経理ブロガーって結構多いんですけど、どのブログ見ても結構楽な生活送ってますよね。ホワイトな経理マンを探すのは簡単です。
経理はホワイト職種。残業時間が少ない会社は絶対にある
そもそも、経理ってホワイトな職種なんです。
- 個人業務が多くてソロプレイしやすい
- 繁忙期と閑散期の差がはっきりしていて有給とりやすい
- 知識さえあれば役職が上とか下とか関係ない。上司すら簡単にコントロール可能
- ノルマのプレッシャーがない
- モンスタークライアント/クレーマーを相手しなくていい
会社選びを間違えなければ、残業まみれでブラックな日々に追いやられるということは無いと思います。
と、言うわけで、残業時間が少ない会社の特徴を紹介しておきます。
残業時間が少ない会社の3つの特徴
この3つですね。
- 利益が出ていて余裕がある
- 従業員数がある程度以上の規模(人が少なすぎると第4階層になり忙しくなる)
- 成熟企業(ベンチャーは残業多い)
会社全体として、①利益が出ていて余裕があることは重要です。
事業が儲かってなくて、「経費削減!経費削減!」とうるさいところは
- システムがショボい
- 人員不足
- 教育に時間がかけられず悪循環
といった感じで、大変な目にあいます。黒字と赤字を繰り返すような会社は遠慮しておきましょう。
また、②従業員数がある程度以上の規模でないと、経理業務に集中させてもらえません。
- 経理も
- 人事も
- 総務も
全部やって!と言われれば、大変なのは想像がつきます。「第4階層」の経理は、避けておく方が良いと思います。
※「第4階層」について、詳しくはこちらの記事で。
そして、③ベンチャー企業は、管理部門も当たり前のように激務です。
生まれたての会社では、社内の仕組みが全然整っていないからですね。
- 経理の日常業務
- 経理の仕組み構築
を同時に行うので、当然に忙しくなります。
ベンチャーに転職した経理の人は軒並み苦労してますね(その状態を楽しめる人はもちろんOKです)
残業をしたくないなら、少なくともこの3点は意識しておいた方が良いと思います。
経理は転職しやすいので、不満があれば転職すれば解決
では、激務の会社に入ってしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか?
経理の場合、「あんまり悩む必要はない」というのがその答えです。経理はマジで転職しやすい職種だからです。
- 残業が少ないところを探す
- でも、入ってみないと分からないし、運悪くブラック化することもある
- そうなったら転職すればいい
こんな軽い感じで大丈夫です。
ウソだと思ったら、転職エージェントに話を聞いてみて下さい。管理部門専門のMS-Japanなんかがオススメです。
特に今、経理の転職市場は熱いので、条件の良い求人案件がボロボロでてくると思いますよ。
就職・転職というのは、最善を尽くしたつもりでも「こんなはずじゃなかった」ということも起きてしまうもの。それでも簡単にリカバリーできるのが経理です。
ホワイトな環境を探しつつ、転職で年収を上げていきましょう!
まとめ:経理の長時間残業は時代遅れです
経理の仕事はAIに代わられるんじゃないかと言われています。
一生懸命手を動かしてやっていた単純業務は、ロボットがサクっと終わらせてくれる時代が来るかもしれません。そんな時、人間がやるべき業務はもっと付加価値の高い業務です。
そういったトレンドがあるなかで、業務の効率化・合理化とは正反対の長時間労働を続けるというのは時代遅れもいいところ。
長時間労働から脱却して、もっとハッピーな人生を送りましょう!
ちなみに、今の経理は圧倒的な売り手市場です。このブログをきっかけに市況の良さを知り、実際に転職活動を始めて、年収アップを達成した人が何人もいます。
中には未経験からのキャリアチェンジに成功した人も。ベテランの転職エージェントも「これだけ経理の需要が強かった時期はなかなかない」と言っています。
超厳選したおすすめのエージェントも紹介しておきますので、ぜひ参考にしてください。
それではまたっ!
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