こんな疑問にお答えします。
- おすすめ会計資格ランキング【キャリアアップに役立つ】
- おすすめ会計資格ランキング【自己啓発に役立つ】
- 参考:会計資格選びの際に考慮すべき5つのポイント
キャリアアップ(年収アップ)のために資格を検討しているという方は、先にこちらの記事を読んでおいてください。
目次
会計・経理分野の資格一覧
では本題です。
まず「会計学が関係する資格」がどれだけあるか、一覧で確認してみましょう。
- あまりにも知名度的がなく、取得してもしょうがないようなマイナーな試験は抜いてあります
- リンクをクリックすると公式ページ等でその資格の概要が分かります
【国家資格】
【民間資格】
結構ありますね。知名度が低いマイナーな資格はもっとたくさんあるのですが、その辺の資格はハッキリ言って不要です。
上記一覧の中から、自分の目的に合う最もコストパフォーマンスの良い資格を選んでいくのがオススメです。
この記事では、
- 会計を本業にしたい人
- 自己啓発目的で会計を学びたい人
この2パターンに分けて、独断と偏見でランキングを作りました。ご参考まで。
会計を本業にしたい人のおすすめ資格ランキングBest3
おすすめ1位:日商簿記1級
こびと株.comが選ぶ最強にコスパが良い資格は日商簿記1級です。
- 企業における抜群の知名度
- 資格の取得費用・維持コストが、士業系資格に比べて断然安い
- 日商簿記1級を持っておけば実務で使う知識はバッチリ(後は実務に慣れるだけ)
- 独立しちゃうかも?という不安を採用者(企業)に与えない
- やれば合格できる(報われる)資格
日商簿記1級には①抜群の知名度があります。
会計業界に詳しい人も、そうでない人も、知らない人はいないでしょう。
BATICとかFASSとかマニアックな資格だと、面接でこっちから資格の内容を説明することになります。それでいて、向こうの反応は「ふーん」ぐらいなものです。
日商簿記1級を持っていると、知識レベルは足りているという前提で話が進みます。チェックされるのは、コミュニケーション能力や仕事への取り組み方など、もっと別なところになりますね。
日商簿記1級は、②資格の取得費用・維持コストが断然安いです。
会計士や税理士だと、スクール費用だけで100万円以上かかることもザラにあります。これらの資格は、合格後に会費という名目で多額のお金を納め続ける必要があります。
一方で、日商簿記1級はスクールを利用してもせいぜい20万円程度。合格後の維持費はかかりません。それでいて、大企業にも入れるようなポテンシャルのある資格です。コスパが良いのですね。
基本的には独学はおすすめしませんが、
独学でやろうと思えば不可能というわけではありません。
日商簿記1級を持っていれば、③実務上、知識面で困ることはほぼありません。
日商簿記1級を持っていない人の方が多いですから、1級ホルダーが分からないことは他の人も分かりません。
知識(インプット面)はもう十分です。あとは実務にひたすら慣れていけばどんどん人材価値を高めることができます。日商簿記1級+実務経験の組み合わせはかなり強いです。転職市場でも間違いなく高評価です。
日商簿記は独立を目指すような資格ではありません。だから、採用上④独立されるかもしれないという懸念を相手に与えません。
うちの会社でもしょっちゅう中途採用をしていますが、税理士や公認会計士クラスだと「独立しそう」という理由で落としているケースがあります。もちろん、その他に
- 会計事務所での経験は事業会社ではあまり役に立たない
- 士業の人はプライドが高くて使いづらい
- オーバースペックすぎる
といった理由もあります。とにかく、意外かもしれませんが、これらの士業系プラチナ資格よりも日商簿記1級の方が好まれるケースが往々にして存在するのです。
最後に、日商簿記1級は⑤やれば受かる、報われやすい資格です。
合格率は毎回10%前後と、難関試験であることに変わりはありません。ただ、それでも日商簿記検定はただの検定試験であることを忘れてはいけません。
税理士や公認会会計士などは、合格者の人数を調整しています。そうしないと、市場の需給関係がおかしくなってパイの奪い合いが起きるからです。税理士試験とかヤバいです。
このような資格は、毎年合格率がブレるのでどうしても「運次第」になる側面があることを否定できません。その点日商簿記1級は実に素直な資格です。
そのような利害関係がないので、試験傾向が安定しています。年に2回チャレンジできるのも大きいです。マジメに勉強していれば、複数回受験したら何回目かで受かるでしょう。
公認会計士や税理士は、脱落者がかなり多い試験です。彼らのなかには、ある意味試験制度のせいで人生を狂わされてしまった人もいます。日商簿記で人生が狂ったという人は聞いたことがありません。
- 日商簿記1級こそ、こびと株.comメンバーが考える会計系のコスパ最強資格
おすすめ2位:USCPA(米国公認会計士)
第2位はUSCPA(米国公認会計士)です。
USCPAは、次の2種類の組織に入るにあたっては相当にコスパが良い資格です。それは
- 監査法人(コンサルファーム)
- 外資系企業
です。
①監査法人(コンサルファーム)は、毎年(日本の)公認会計士試験合格者を採用しています。
ところが、市場の需給によっては採用が追い付かないことがあります。そういう時は、USCPAの合格者も中途市場で採用することがあります。
日本の公認会計士試験とUSCPAを比較すると、USCPAの方が難易度は低いです。社内にいる公認会計士受験者・USCPA合格者達は口をそろえてそう言っています。
それなのに、市場次第では日本の公認会計士と同じような待遇で監査法人やコンサルティングファームに潜り込むことができるのです。年齢が若ければ、間違いなく一発大逆転を狙えるポテンシャルを秘めた資格ということになります。
次は、②外資系企業に関してです。意外かもしれませんが、米国は日本以上に学歴社会です。定量的な評価を好みます。つまり、MBAやUSCPAなど目に見えて評価できる資格をどれぐらい持っていますか?ということです。
外資系企業のCFOは、MBAやUSCPAホルダーばかりです。何もないという人はほとんどいません(外資系転職支援会社の情報による)
こういう状況ですから、外資系企業(の経理・財務系の部署)に転職する際にUSCPAは大きな力を発揮します。私の同僚にも、USCPAを取得して外資系企業に転職していった人がいます。
タイミングさえ合えば簡単にモトが取れる。USCPAはそういう資格です。ただし、市況と年齢に左右される部分が多いということは覚えておいた方が良いです。逆転を狙うなら、できれば20代のうちに取得したい資格です。
試験制度や合格率など、基本的なことはこちらの関連記事をご参照下さい。
おすすめ3位:公認会計士
最後に、税理士か公認会計士か悩みましたが、公認会計士にしました。
理由は、試験制度に課題があるとはいえ、やはり公認会計士が最高峰の会計資格だからです。会計士になれれば自動的に税理士資格も取れますしね。
端的に言って、公認会計士資格があれば食いっぱぐれることはありません。
※税理士は、独立開業すれば一流サラリーマンぐらいの年収になれますが一握りです。さらにトップ数%になればサラリーマンは置いてけぼりにできます。しかし、収入のボリュームゾーンとしてはサラリーマンレベルなのです。今の時代、あまりにもコスパが悪いです
監査法人でパートナーを目指しても良いですし、事業会社で経営層を目指しても良いです。こと経理/財務の分野であれば、働けないポジションはほとんどないといっても良いでしょう。
ベンチャーのCFOや、中小企業の顧問になるなど、専門家としての立場を大きく示せる資格でもあります。まぁ、簡単に言うと最強ですね。
問題は、やはり並大抵の努力では合格できないということに尽きます。才能と努力の両方が必要です。
ランキング外の資格について
税理士は”独立”のための資格としては、価値の高い資格です。事業会社だと微妙です。会計事務所の雇われの身も微妙です。ちなみに、私は税理士試験に挫折しています(笑)
国税専門官や財務専門官は、仕事の内容は結構面白いと思います。税務調査官は嫌われますけどね。公益を守りたい公務員志向の人は良いかもしれません。ただ、待遇は大企業には劣ります。
全商簿記検定は不要です。内容は悪くないのですが、知名度が低いからです。素直に日商簿記検定を受けましょう。
BATICやIFRS検定もイマイチです。リターンがあまりない資格だと思います。自己啓発向けですね。
FASSは内容は悪くないのですが、いかんせん知名度がイマイチです。内容は超実務よりなのに、知名度が低いせいで「経理マンの自己啓発」にしか使えないというのが現状です。一般の方の教養には不向きです。
自己啓発目的で会計を学びたい人へのおすすめ資格ランキングBest3
おすすめ1位:日商簿記2級&ビジネス会計検定2級
自己啓発目的であれば、日商簿記+ビジネス会計検定で決まりです。
この2つの資格に合格できるレベルの知識があれば、会計関係の仕事に就いていない人としては、トップクラスの理解度です。世の中に出回っている会計関係のビジネス本はほとんど問題なく理解できるでしょう。
日商簿記2級では「財務諸表の作成能力」を、ビジネス会計検定2級では「財務諸表の分析能力」を身に着けることができます。
まさに鉄壁の組み合わせです。合格率はいずれも30%前後、勉強時間は100~200時間程度です。コスパも最高で、自己啓発目的でこれ以上おすすめできる資格はありません。
ちなみに、日商簿記検定やビジネス会計検定で問われる知識は、
- 国税専門官
- 中小企業診断士(財務会計)
- 証券アナリスト(財務分析)
- 銀行業務検定(財務)
などの範囲とかなり密接な関係があります。簿記2級+ビジネス会計検定2級レベルの知識があれば、上記の試験の場合はちょっと頑張るだけで会計科目を得意科目にすることができるでしょう。
大学生の場合、就職活動でも役に立ちます。
会計に興味がある方は、是非この2資格に合格できるレベルまで頑張ってみて下さい、時間的・金銭的コストもあまりかからないので、のちのち学習したことを後悔することはないと断言します。
おすすめ2位:日商簿記3級
簿記2級+ビジネス会計検定2級がコスパ最強なのは分かった!でもそこまで頑張れない!
と言う方は、日商簿記3級の取得をおすすめします。
知識面では物足りない側面もありますが、教養として知っておいて絶対に損することはありません。何割かの人は、ここから簿記の面白さにハマって勝手に次のステップに進むと思いますw
おすすめ3位:ビジネス会計検定3級
おすすめ2位を簿記にするかビジネス会計検定にするか少し悩んだのですが、惜しくも3位!理由は、財務諸表の分析能力を深めるためには、前提として簿記の知識が必要だからです。
簿記の知識がなくても問題ないと言えば問題ないのですが、やっぱりあった方が理解は深まります。というわけで簿記より1つだけランクを落としています。
ビジネス会計検定は受験者数右肩上がりでジワジワと人気が出てきている資格です。当サイトからも頻繁にテキスト購入や資格スクールへの申し込みがあります。
投資にも生きますし、学んで損のない資格としてイチオシですね。
ランキング外の資格について
基本的に、自己啓発目的であれば上記の2資格以外はおすすめしません。
- まったく知名度がなく、簿記やビジネス会計検定のマイナーチェンジ状態
- 自己啓発目的としては金銭的・時間的コストがかかりすぎる
こういう資格が多いからです。迷うことなく簿記とビジネス会計検定を選んでもらえればなと。
参考までに、私が資格を選ぶ際の基準をご紹介します。
参考:資格を取得する際に考慮すべき5つのポイント
ポイントは下記の5つ。
- 取得の目的
- 資格取得後のメリット
- 受験資格
- 資格の難易度
- 資格の取得・維持にかかるお金
それぞれ見ていきます。
基準①:取得の目的(仕事にしたいのか、自己啓発目的か)
まずは取得の目的です。
この分野で学ぶことを「仕事に生かしたい」のか、単純な「自己啓発」目的なのかハッキリさせましょうということです。
仕事に生かしたいという場合、その目的はさらに3つに分かれます。
- 昇進・昇給
- 社内の異動
- 転職
※社内での出世や異動、社外への転職で役に立たない資格は「自己啓発」目的
仕事に生かすために資格を取得したにもかかわらず、昇進・昇給、転職などに全く役に立ちませんでした!ということは絶対に避けたいですね。完全に時間とお金の無駄ですから。
自己啓発目的の場合、将来役に立つかどうかを考える必要はありません。自分が興味のある、楽しそうな資格を選ぶべきですね。
基準②:資格取得後のメリット
目的がハッキリしたら、受験しようとしている資格が本当にその目的に合っているのか確認します。
メリットをしっかりチェックしようということです。
例えば、「今の職場がどうしても自分に合わない。他の職種・職場に転職したい」という希望があったとします。その際の資格取得目的は、自己啓発などではなく「仕事に生かしたい」ということになります。
具体的には、仕事に生かしたい=転職で評価されたいということです。
この際、資格を選ぶ際に最も重要なのは本当に転職に役に立つかどうか、その1点です。例えば
- 簿記2級→年齢次第では(かなり若ければ)、転職に若干の効果を発揮します
- 証券アナリスト→取得しても、転職にはあまり役に立ちません(もともと金融業界にいるなら別)
- 公認会計士→監査法人への転職にも、事業会社への転職にも効果抜群です
このような感じで、資格を取得するメリットをシビアに、そして正確に把握する必要があります。
「きっと評価される!」
こういう思い込みで勉強するのは非常にキケンです。もし役に立たなかったら、時間とお金をムダにすることになります。
- 社内規定に「〇〇の資格を取得したら月額△△万円の手当を支払う」と書いてある
- 社内には「〇〇の資格を取得したら△△の部署へ異動させる」という文化がある
- 転職エージェントに「この業界で働くならこの資格は評価される」と言われている
客観的な情報をしっかりと確認して、メリットをおさえてから学習を開始しましょう。
基準③:受験資格
受験資格についてもしっかりと把握しておく必要があります。
いくつか例をあげますと、
- 公務員の場合は年齢制限があります。役所によりますが、だいたいは30歳を過ぎたあたりで受験資格を失います。
- 税理士の場合、大卒資格がなければ、まずは日商簿記1級などに合格する必要があります
- USCPA(米国公認会計士)の場合、出願する州によって異なりますが、大学で一定の会計単位、ビジネス単位を取得しておく必要があります
受験資格が厳しい資格は、総じて受験コストが高くなります。
基準④:資格の難易度・学習時間
- 目的(仕事に生かすor自己啓発)ハッキリして、
- メリットがあることもしっかり確認できて
- 受験資格もあると分かったら
難易度や学習時間をチェックします。メリットが資格取得の手間(難易度)を上回るかどうかがポイントです。
(社内での)昇給のために公認会計士をとる!
と決心したとします。
公認会計士に合格するには最低でも3,000時間程度の勉強が必要だと言われています。あなたの残業単価が1,500円だとすると、450万円分の時間を学習に充てるということになります。
- 3,000時間勉強しても
- 合格率は10数%です
受からない可能性もあるというリスクを考えると、公認会計士に充てた勉強時間で残業したり副業に取り組んだ方が金銭的なメリットは大きいかもしれません。
基準⑤:資格取得・維持にかかるお金
資格取得のコストとして、上記で④勉強時間を紹介しましたが、こちらはもっと直接的なコストです。
- 予備校代やテキスト代
- 資格の維持費用(公認会計士協会や税理士会などへの会費支払い)
などです。こちらについてもメリットがこのコストを上回るかどうかチェックすることがポイントになります。
例えば、税理士登録すると税理士会に年間10~20万円程度の会費を支払うことになります。
知り合いに、社内での異動目的で税理士の取得を目指した人がいました。
最終的に試験に合格して異動することができたのでそれはそれで良かったのですが、うれしさ余って税理士登録までしてしまったせいで毎年多額の会費をおさめることになってしまったのです。
- 経理部に異動することができた(メリット)
- 数千時間の勉強時間、100万円近い予備校代、毎年15万円の会費支払い(コスト)
ちょっと(かなり?)バランスが悪いと思いませんか?
経理部長に声をかけてお酒でも飲みに行って、異動したいんです!と直談判するとか、そのぐらいでも十分実現できたかもしれませんね(笑)
資格取得の際に考慮すべきポイントまとめ
まとめておきます。
- 目的をハッキリさせる(仕事に生かすor自己啓発)
- メリットを確認する(ポイントは、妄想で資格価値を評価しないこと)
- 受験資格を確認する
- 勉強時間・難易度を確認する
- 資格の取得費用・維持コストを確認する
目的にしっかりと合致していて、メリット>コストの時に受験することにしましょう。
コスパ大事。
資格を取得して就ける仕事に「金銭に代えられない価値がある!」というなら、コストの計算は余計なことかもしれないですけどね。
ただ、経験上、自分は大丈夫!という人に限って資格の価値を妄想で評価して後で痛い目を見ているので、慎重に!
まとめ:会計・経理分野のおすすめ資格
以上、この記事の内容をまとめます。
- 日商簿記1級
- USCPA(米国公認会計士)
- 公認会計士
最終的には簿記1級まで取得するメリットは大きいと思いますが、そうはいってもまずは3級・2級から。
1級ホルダーも、会計士も、誰もが最初は通った道です。簿記を学び始めるタイミングについてはこちらをご参照ください。
- 日商簿記2級+ビジネス会計検定2級
- 日商簿記3級
- ビジネス会計検定3級
以上、会計・経理のおすすめ資格でした。
それではまたっ!
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